■木村の役者人生に多大な影響を与えた作品

 木村が演じた犯人は「時計台が見えなくて邪魔という理由だけで観覧車を爆破しようとした」「その巻き添えで短絡的に警備員を殺害したうえ、偶然爆弾付き観覧車に乗っていた今泉も危険にさらされた」という最低の人間だったため、古畑はいつもの飄々とした「和製コロンボ」の雰囲気こそ崩さなかったが、歴代で唯一「犯人にビンタする」という行動をとっている。

 田村さんを尊敬していた木村はこの件を、

三谷幸喜さんがね、すごい粋な計らいをしてくださった」「すごく名誉に思ってやらせていただいた」

 と、15年に『木村拓哉のWhat‘sUP SMAP!』(TOKYO FM)で話している。田村さんの訃報を聞いた木村は《現場にいてもらわなきゃ困る、現場に立ってもらわなきゃ困る人が1人またいなくなりましたね》という旨のメールを明石家さんま(66)に送っていたことも、4月22日に『ヤングタウン土曜日』(MBSラジオ)でさんまが明かしている。

「木村さんに関する有名なエピソードとして“セリフを丸暗記して現場に台本を持ち込まない”というのがありますが、これも田村さんに感銘を受けたから、というのは有名な話。木村さんの役者人生にも、多大に影響を与えているんですよね。」(前出の専門誌記者)

 今回の放送で改めて存在感の大きさがわかった『古畑任三郎』。いつか「vsSMAP」も再放送してくれるといいのだが……。

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