■アニメは原作の「闇」を再現できるのか

「ちいかぶ編」に限らず、ちいかわの世界には時折不穏なモンスターが登場することが多い。

「知らずにゴブリンの縄張りにあるキノコを食べて地下牢に幽閉されてしまう」「ちいかわ族が討伐しているモンスターがいるが、ちいかわ族のなれの果てのような描写がある」「化け物に改造されてしまった同族らしき人物が泣きながら襲ってくる」などなど、挙げたらキリがない。

 ちなみに、『めざましテレビ』はアニメ化に先駆けて、1月から占いコーナー“ちいかわ占い”をスタートしていたが、それと合わせるように原作ツイッターでは「ちいかわが目覚まし時計を買ったのが遠因で記憶を持ち越したまま特定の1週間をループするようになってしまい、精神が壊れかける」というエグすぎるストーリーを連載し、やはり話題を呼んだ。もっとも、最後に勇気を出すちいかわの行動に胸を打たれたファンも多い。

「そういうディストピア的な世界観を支持しているコアなファンが、朝の『めざまし』の視聴率に貢献しているのか、といわれると、疑問が残ります。声優のチョイスにしても、ワキを固めるのは豪華実力派声優ばかりですが、肝心の主人公とメインキャラである“ちいかわ”と“ハチワレ”の声が、子役の青木遥さん(10)と田中誠人くん(11)なんですよね。

 演技力以前に、わざわざ子役をチョイスしているあたり、作品の方向性もほのぼの系で行くのかな、と勘繰ってしまいます」

『めざましテレビ』には、16年にXJAPANYOSHIKIがヴィジュアル系のガールズバンドをプロデュースしてデビューさせる『We are Lady‘s X』という企画に密着するも、いつの間にか流れてしまったという「前科」もある。

 メインキャラ「うさぎ」の声を担当している小澤亜李(29)は本作について、「映画化希望します!ナガノさんがもし、ちいかわちゃんの冒険を描いてくれるなら、それはとっても見てみたいですね」と『アニメ!アニメ!』のインタビューに答えているが、はたして『ちいかわ』はいつまで持つのか……。

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