■一方の木村拓哉は持ち味を生かし

 今回は、娘を取り戻すために奔走する中、夫婦が歩み寄るシーンも見られ、家族が再生していく回でもあった。特に、娘が帰ってきたらフカフカの布団で寝させたいと、未知留が布団を干していたシーンでは、温人も一緒にベッドメイクして、疲れた妻を気づかう。

 すると未知留が、塾のことで友果とケンカしていたことを告白。誘拐された日にひとりで塾に行かせたため、責任は自分にあると涙する未知留に、温人は「何も気づけなかった、ごめん」と謝罪。そして、友果は必ず帰ってくると、温人は穏やかな笑顔で誓った。

 仮面夫婦で娘のことも無関心だった温人が、家族を思いやるようになっていく。そんな感情の変化を二宮がうまく表現していた。これは、二宮が父親になったことと無関係ではないだろう。初の父親役を演じることで、新境地を開いたようだ。

 同じ演技派ジャニーズとして、今期は『未来への10カウント』(テレビ朝日系)の木村拓哉(49)も注目されている。こちらは、ぶっきらぼうに見せて熱い気持ちと正義感を持つという、良くも悪くも変わらない、イメージ通りのキムタクキャラだ。

 ドラマは始まったばかりで、まだ比較するのは難しいが、視聴者の両者の演技への反響からすると、今のところ二宮がリードしていると言えるだろう。(ドラマライター/ヤマカワ)

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