■イケメンかつ大胆ゆえ厄介な男たち

 丸谷の周辺にいる男性を見てみると、クセの強いイケメンが多い。真田のかつての上司である須藤(津田健次郎/50)は、大人の対応もサラリとできる“イケオジ”だ。真田を気にかけて食事に誘ったり、営業部に異動になった理由が競合他社に情報漏洩をしたからだという濡れ衣を、自身の肝臓の数値を漏洩したことに置き換えて、笑い話にして吹き飛ばしたのがカッコよかった。誰も傷つけずに場を和ませつつ、真田を守ったのはお見事といえるだろう。丸谷がうなだれてしまうのもよく分かる。

 そして、大阪支社から異動してきた一ノ瀬(なにわ男子・大橋和也/24)だ。丸谷が担当する大口取引先に、真田が作成した提案書を自分の名前で提出して自分の担当にしてしまうという、なんともちゃっかりした性格だ。丸谷が築き上げてきた良好な関係をあっさり横取りした形なのだが、愛嬌の良さと素直な性格ゆえの世渡り上手な感じが魅力でもある。

 そして、59歳の自分であるおっさんだ。29歳の丸谷と同一人物とは思えないほどのクタり具合だが、未来から来た理由がきっとあるはずだ。丸谷の奮闘を見守りつつ、その理由を楽しみに待ちたい。(文・青石 爽)

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