いまだ収束の兆しの見えないウクライナ情勢。連日、報じられる戦地の惨状を受け、欧州を中心に、日本でも自国防衛のための軍備を抜本的に見直す動きが加速している。
「ドイツは約13兆円をかけて軍備を増強することを決定。他にも、ポーランド、チェコ、ルーマニア、スウェーデンなどの国も、こうした動きに追随しています。欧州各国は自国の防衛能力に関し、徹底的な再検証に着手し始めたわけです」(防衛省関係者)
これは日本も同様だ。
「与党から、“日本の防衛費をGDP比2%超にすべき”との声が上がっています。日本はロシア、中国、北朝鮮に囲まれている。国民は平和ボケしていますが、安全保障環境は最悪レベルなんです」(前同)
軍事ジャーナリストの井上和彦氏が、指摘する。
「防衛費の議論は、単に数値目標ではなく、軍事的合理性に基づくべきです。国を守るためには、これだけの装備と人員が必要だから、これだけの予算がかかるという方向で、議論しなければなりません」
また、日米同盟があるため、有事の際は米軍が守ってくれるとする考え方も、「今回のウクライナ戦争で、相手が核保有国の場合、米国は助けに来てくれないことが分かった。同盟国は“助太刀”であり、あくまで“自分の国は自分で守る”のが大原則なんです」(前同)
不幸にも、日本を取り巻くロシア、中国、北朝鮮は、いずれも核保有国であることを忘れてはならない。
では、侵攻に対する備えとして、具体的に政府は、どんな兵器の調達を進めているのか? 加えて、日本がウクライナのように侵攻を受けた場合、これを撃退する有効な兵器はあるのか?
以下、見ていきたい(最終ページ表組も参照)。