■“ボクシング版『ドラゴン桜』”で世帯&コア視聴率の両取りを狙ったが……

『未来への10カウント』は、高校時代にボクシングで4冠達成という輝かしい成績を収めながら、たび重なる不運に見舞われて、生きる希望を失った木村演じる桐沢祥吾が、廃部寸前の母校のボクシング部のコーチを引き受け、熱い気持ちを取り戻す姿を描く。

 木村のほか、満島ひかり(36)、安田顕(48)、内田有紀(46)、King&Prince高橋海人(23)、村上虹郎(25)など、豪華俳優陣が脇を固める。

 また脚本は、木村主演の『HERO』(フジテレビ系)や福山雅治(53)主演の『ガリレオ』などを手掛けてきた福田靖氏(60)ということもあり、放送前から大きな注目を集めていたが、数字はついてきていない。

「実は、『未来への10カウント』は“ボクシング版『ドラゴン桜』”のようなイメージで企画されたという話ですね。1エピソードごとに、問題を抱えた生徒それぞれに焦点を当て、木村さん演じる桐沢の熱血指導で変化をもたらし、生徒、そして桐沢の成長を描く――といった物語を目指したそうです。

 生徒役には『ドラゴン桜』(TBS系)にも出演したキンプリの高橋さんをはじめ、コア視聴率も期待できる若手タレントがそろっています。彼らを押し出しコア数字を狙いつつ、従来の“キムタクドラマ”のファンが持つ世帯視聴率の“両取り”を目論んだのでしょうが、現状は“二兎を追う者は一兎をも得ず”といった結果になってしまっているようです」(芸能プロ関係者)

 視聴率20%超を記録した『ドラゴン桜』をイメージして、ターゲットを広く設定したが、それが結果的には中途半端になってしまった、ということなのかもしれない。

「木村さんだけをフィーチャーした『HERO』や『プライド』(フジテレビ系)といった、従来の“キムタクドラマ”とも違ったつくりになったため、シニア層やキムタクドラマのファンも離れてしまい、世帯視聴率も落ちてしまったのではないか、という分析もあります。実際、“もっとヒーローのキムタクが見たいのに”という声が聞こえてきていますね。

 そもそも『ドラゴン桜』は漫画原作ですし、視聴者にも教訓や学びがある内容になっています。『未来への10カウント』もそこを目指したようですが、“ボクシング版『ドラゴン桜』”というのも言われないと分かりませんからね……」(前同)

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