■綾瀬や長澤も通った道

「今回のように、アニメ作品が実写化する際は、ふだん女優に関心がない層からも注目が集まることが多い。たとえば、2012年に実写映画化した赤塚不二夫先生の『ひみつのアッコちゃん』で、主人公の“22歳のアッコちゃん”を演じていたのは綾瀬はるかさん(37)ですが、やはり注目が集まっていました」(前出の専門誌記者)

「魔法のコンパクトを見つめて“テクマクマヤコン”と唱えれば何でも変身できる」という設定の本作でアッコは女医、保育士、サッカー選手、花嫁、冒険家、フィギュアスケーター、宇宙飛行士、チアリーダー、ナース、パティシエール、バイクレーサー、CAなどなど、13以上の姿に変身し、数多くの綾瀬の姿が楽しめた。当時は東京メトロをジャックして、一編成すべてアッコちゃんで飾る大々的な宣伝もあった。

 ちなみに、アッコの正体は“小学5年生の加賀美あつ子”だが、彼女を演じていた子役“吉田里琴”は、一時は芸能界を引退していたが現在女優としてブレイク中の吉川愛。5月現在の実年齢が当時の“大人アッコちゃん”と同じ22歳なのは、何とも感慨深いものがある。

『シネマトゥデイ』公式YouTubeチャンネルより

「面白い例では、長澤まさみさん(34)さんに関するエピソードがあります。

 19年に漫画作品原作の映画『キングダム』で山の民を武力で束ねる美しき山界の王“楊端和”を演じた際のあまりの凛々しさがキャリアベスト級の美しさとまで呼ばれたり、すっかり同世代の中でも大物感が漂う風格になったですが当時17、8歳の長澤さんが“2年連続であだち充先生原作の実写化作品に出演”という快挙を成し遂げたことがありましたが、その理由は何とも……(笑)」(女性誌記者)

 長澤は05年には野球漫画で不朽の名作『タッチ』でヒロインの浅倉南を、翌06年の競泳漫画『ラフ ROUGH』でも、やはりヒロインの二ノ宮亜美をそれぞれ演じている。

 ちなみにこちらでも現在では驚きのキャストとして、『タッチ』には長澤の子供時代の子役にHKT48矢吹奈子(20)が、『ラフ』では当時無名でメイプル超合金結成前の安藤なつ(41)が柔道重量級選手の高校生役で出演していた。

「『タッチ』の南ちゃんといえば、野球部のマネージャーにくわえて新体操部のエースとしてレオタード姿でリボンを回す可憐な姿が印象的ですが、残念ながら映画ではカット。一説には事務所NGだったのでは、と言われています。これには原作者のあだち先生も思うところがあったようで、『ラフ』の実写化の理由の1つを《そりゃ、長澤まさみの水着が見られるということで》《タッチ』はレオタードかと思いきや体操着で…。『ラフ』ならもう逃げられないだろうと思った(笑)》《でもプールで水着ってのが当然すぎて、あんまり色っぽくなかったのは計算外だった(笑)》と、当時『週刊ファミ通』(KADOKAWA)のインタビューで話していました」(前同)

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