■詰め込みすぎのストーリーと豪華すぎるキャスト陣

『鋼の錬金術師』の原作漫画は全27巻。5月20日に公開された前編と、6月24日公開の後編では原作8巻から27巻までのストーリーを映画化するようだが、1つ目の原因はここにあるようだ。

「やはり、1本2時間ほどの映画前後編で、コミック20冊分を描き切るのは難しいですよね。映画では、原作の名勝負エピソードをできるだけ映像化しようと頑張っていることは感じるのですが、全体的に駆け足で詰め込みすぎ。戦闘シーンをぶつ切りで合体させた結果、2時間の映像になりました、というような印象で、話の本筋がすごく分かりにくいんですよね」(前出の映画ライター)

 同作品には、山田や真剣佑以外にも、ディーン・フジオカ(41)、渡邊圭祐(28)、本郷奏多(41)、佐藤隆太(42)や山田裕貴(31)、山本耕史(45)といったイケメンで実力派俳優陣に加えて、本田翼(29)や黒島結菜(25)、蓮佛美沙子(31)といったメインヒロイン級の女優陣が多く出演。さらに、舘ひろし(72)や内野聖陽(53)といったレジェンド俳優も助演を務めている。

 しかし、その“超豪華キャスト”があだとなっているのかもしれない。

「登場人物が多すぎるのと、豪華すぎることで、誰に注目していいのかよく分からないんです。原作を読んでいない人や前作を見ていない人にとっては、駆け足の展開も相まって、キャラクター同士の因縁や関係性を理解することが難しいでしょうね」(前同)

 それは演じる側も同じだったようで、今作でキング・ブラッドレイ役を演じる舘ひろしは、4月に行なわれた製作発表イベントで「五里霧中というか、全くストーリーが理解できないまま撮影に入り、そのまま終わりました」と驚きの告白をしていた。

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