■メインヒロインの演技とビジュアルに不満

 そして、メインヒロインのウィンリィ役を演じる本田翼の演技も、残念ながら客足が遠のく一因となっていそうだという。

「本田さんの可愛らしさ、美しさは間違いないのですが、彼女は決して演技派とは言えませんよね。しかも、本田さんが演じるウィンリィは原作では金髪で、それが作中で重要な意味があるのに、実写映画版ではなぜか暗めの茶髪です。

 前作でも本田さんが金髪でなかったことに原作ファンから批判の声が上がっていたのですが、原作のビジュアルの完璧な再現があれば、一本調子な演技やセリフ回しといった演技面の拙さは、圧倒的なルックス面でフォローできたのではないでしょうか」(前出の映画ライター)

 第1作目の2017年の映画『鋼の錬金術師』は、全国400以上のスクリーンで公開され、最終興行収入が11.1億円という記録だったが、今回の完結編も同規模の公開ながら、より厳しい成績になってしまうのかもしれない。

「山田さんの主演映画では、2月に公開された『大怪獣のあとしまつ』が、あまりに酷評されて話題になったことが記憶に新しいですよね。同作品は初週2位というスタートでしたが、最終的な興行収入はヒットしたと言える水準に達していなかったとささやかれています。そんな山田さんの作品が、またしても“惨敗”を喫してしまいそうだと。

 ただ、今回の『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』は見所がしっかりある作品です。黒島結菜さんのキレキレアクションや、本郷奏多さんや山本耕史さんによる“二次元”を再現したビジュアルと演技は特に必見です」(前同)

 6月24日公開の後編、『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』でも「エピソード詰め込みすぎ、キャラクター多すぎ、ヒロイン・本田翼」という3つの状況は基本的には変わらないだろう。

「前編は、公開初週の週末が絶不調の9位スタート。今後、爆発的な伸びがなければ、『大怪獣のあとしまつ』以下の興行収入となってしまいそうです。ジャニーズの超人気アイドルの山田さんにとっては、今回でまさかの銀幕2連敗、次の後編での3連敗を喫してしまうという、深刻な危機を迎えていると言えそうです……」(前同)

 多くの人が映画館に足を運び、作品の魅力が広く伝わることになればいいが……。

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