■次作も同じような構造の物語?

 視聴率は微増したが、綾瀬と大泉という人気俳優を揃えた“月9”としては、喜べる数字ではないだろう。原因は、3話以降は原作続編の短編集のエピソードに、ドラマオリジナルのエピソードを加え、本筋をアレンジしたことによる分かりにくさ。原作があるドラマの難しいところだ。

 ところが、7月期の同枠は、『元彼の遺言状』の原作者・新川帆立氏の新作『競争の番人』(講談社)が原作で、公正取引委員会を舞台にしたミステリー。同一原作者の小説を2クール連続でドラマ化するのは、フジテレビ史上過去にない異例のケースとなる。

 坂口健太郎(30)と(36)がW主演を務める『競争の番人』は、男女の凸凹バディというところも『元彼の遺言状』とかぶる。また、連続ドラマという形式上、原作をアレンジする必要が出てくる。『元彼の遺言状』のように、いびつな形にならないことを期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)

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