高温多湿で頭痛や不眠、熱中症や食中毒の危険も!「梅雨の入浴」新作法7 【画像】元気になる梅雨の入浴「プロの技!」の画像
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 日本列島を雲が覆い、雨が降り続く憂鬱な季節。この時期、心身に不調をきたす人は少なくない。

「高温多湿で、熱中症のリスクが高まるだけでなく、長雨による気圧の変化が自律神経を乱して、頭痛や不眠なども引き起こします。また、免疫力が落ちると、コロナはもちろん、この時期に増える細菌による食中毒にもなりやすい。日本人の3人に1人が、梅雨に体調不良を経験したという調査結果もあるんです」(医療関係者)

 これから1か月ほど続く梅雨を健康で乗り切るには、どんな対策が有効なのか。

「でしたら、“入浴”がオススメです。湯船につかることで、自律神経が整い、梅雨の体調不良が緩和されます。また、入浴で汗をかく習慣をつけると、体温調節機能が鍛えられる“暑熱順化”が起きて、熱中症に強い体も手に入りますよ」

 こう語るのは、温泉医療専門医で、東京都市大学人間科学部長・教授の早坂信哉氏。同氏に、梅雨の「元気になる入浴作法」を伝授してもらった。

 まず、大切なのが入浴のタイミングだ。

「体調を整えるには、上質な睡眠が必須です。入浴で上昇した体温が下がりきったタイミングで床に就くと、深い睡眠が得られるので、睡眠予定時間の1~2時間前に入浴をしましょう」(早坂氏、以下同)

 また、入浴の際は、湯船の温度に注意したい。早坂氏いわく、「うっすらと汗をかく」温度にすることが重要という。

「体温が上昇すると、初めて自律神経が整い、全身の血流が改善します。そのために、40度の湯船で、約10分間の全身浴をしましょう。熱い湯が苦手な人は、血流促進効果の高い“炭酸系入浴剤”を使って38度のぬるま湯に20分間つかる、という方法もあります」

 その際、忘れてはいけないのが水分補給。高温多湿な梅雨時期は、浴室内の温度も上がるので、気づかないうちに脱水症や熱中症に陥りやすい。

「そういった入浴事故を防ぐために、入浴の前後には必ず水分補給をする習慣を身につけましょう。その際は、水分とミネラルを同時に補給できる、ミネラル入り麦茶がオススメです」

 暑くなると、風呂上がりに、ついエアコンや扇風機の前へ行きがちだが、それもNGだという。

「必ず室内着を着て、睡眠時間まで徐々に体温を下げてください。扇風機や、クーラーで火照った体を急激に冷やすのは控えましょう。皮膚表面の汗が蒸発し、体の芯まで冷えて、血流促進効果が長続きしません」

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