■第3の選択肢を選んだ結果微妙な空気に…

 しかし、ここで若林に第3の選択肢として、2票のところに入れたら「3対3対3」になる、ということに気づき、このようにして話し合いに持ち込んで、「ここは『審査員長・松本人志』ですから、松本さんが上げたのを優勝にしましょう!」というエンディングの流れがひらめいたという。

 しかし、

「メンバー的に、吉村、澤部とか、田中さんとかいてくれたら“若林お前何やってんだよ”“ややこしくなるだろ”“かき混ぜんなよ!”ってツッコんでくれるし、(若林が)そういうことやりそうって知ってくれてる人がいない感じ」

 で、肝心の松本も「春日の面倒を見てる若林くん」として認識しており、計算して引っかきまわすようなことをするタイプであるとは思っていないことを感じていたため、どう転がってしまうか予想がつかなかったが、「行ってみよう!」と「3対3対3」にすることを決意。

 ところが実際に、若林が2票のものに投票したところ、スタジオ中が「は?」という空気になって大失敗。松本も「春日とかバイきんぐ西村さん(西村瑞樹)に言う感じの“何してんの?”」という、マジのリアクションをされてしまい、ウイカやIKKOはおろか劇団ひとりや小峠にさえ「え、若林何してんの……?」という空気になってしまったが、劇団ひとりが遅れながらも「いや、ややこしくなるだろ」と言ってくれたことを説明。

 最終的に、松本がミニコーナーのために少しだけ参加していたサンシャイン池崎を呼び出し「審査員池崎をやらせる」という「さすが松本さん」な発想で番組はオチを付けることに成功したが、若林には「松本さんにどう思われたのだろう」という心配が生じてしまった。

 番組収録後、松本とYouTube用の告知コメントを撮影する途中に、若林は「天然と思われてる可能性が高い」と思いつつも、自分から「終わり方あれでよかったですかね?」などと言うのは「ちょっと違う」「ダサい」「粋じゃないな」と感じていたまま収録が終了。

 その後、番組を担当する坂本義幸プロデューサーと松本が並びながら通路を歩いている後ろを、それとない距離でついていって聞き耳を立てていると、うっすらと「あれ……天然かな? 計算かな……計算か?」という松本の声が聞こえてきたため、プロデューサーが「計算です」と言ってくれることを願っていたものの、「どっちスかねぇ?」という感じの返答をしていたように見えた、という話を『ANN』で赤裸々に語ったのである。

「松本さんをメインに据えての番組でMCをすることに関する若林さんの責任感、認めてもらいたい気持ち、裏側での脳内の計算の速さ、逆説的に未出演だった吉村さんたちへの信頼がつまっていて、実にいいエピソードでした。

 また、それに付随するように『しくじり先生』(テレビ朝日系)の出演者に関する裏話も出てきて、これが若林さんの心境に変化が訪れたことも明らかになりました」(前出の専門誌記者)

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