■すべては上野の演技あってこそ

 一例を挙げると、当初こそ杏花(上野)と晴太(田中)「結婚を前提にしないお付き合い」「晴太は息子ファースト、杏花は仕事ファースト」のスタイルで順調かと思われた。

 しかし第8話ラストで杏花は仕事を優先した結果、晴太に頼まれた「熱を出した息子を迎えに行ってほしい」というお願いを果たせずに颯(磯村)に連絡。

 この出来事に晴太の元妻の安奈(瀧内公美)が、

「応援したいと思っているが、母親になる気がないなら中途半端に虹朗にかかわらないでほしい」

「付き合うなら楽しむだけにして。もし再婚するなら虹朗のいい母親に鳴れる人としてほしい、私よりも」

 と2人を諭し、その後破局してしまう……というショッキングな展開が繰り広げられたが、これが「大人の恋愛の難しさ」「自分たちも他人ごとではない」と大いに視聴者の胸を打ったのだ。

 しかし、このドラマの立役者はやはり主演の上野、という声が圧倒的だ。ヨガインストラクターのビジュアルも素晴らしいが、外見ではなく上野本人の演技力は06年の『のだめカンタービレ』(TBS系)時代から圧倒的な評価を獲得している。

「結局、上野さんは天才なんですよね。周囲の予想しているものとは、まったく違うものを見せてくれる。サッカーに例えると、PKのシーンでゴールに蹴り込むのではなくて、ボールを爆発させてしまうような、誰もが予想してないことをやる。そういう魅力があります。

 同じ事務所だった吉高由里子さんも天才と評されることがありますが、天才ぶりでは上野さんのほうが上。そして、絶対に自分の演技に満足しない、という努力家でもある。最強の女優じゃないでしょうか」(制作会社関係者)

 最終回では杏花(上野)にプロポーズした颯(磯村)、そんな場面を目撃してしまった晴太(田中)、そんな状況下の杏花に接する父親の林太郎(松重)と交際相手の明里(井川遥)ら5人のドラマについに決着がつく。

《杏花は颯からのプロポーズを受けるのか、晴太との関係はこのまま終わりを迎えてしまうのか…? そして林太郎と明里が選ぶ未来とは。親子で始めた“ダブル婚活”の果てに一体どんな愛の奇跡が待っているのか!?》

 と告知されているが、どんなフィナーレとなるのかーー。

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