■男女の関係や心情は、100年前と現代とでも、本質的には変わってない
そんな中で、今回出演させてもらったのが、映画『人でなしの恋』です。原作は100年近く前に江戸川乱歩が書いた短編小説で、とある家庭の夫が招く悲劇を描いた物語です。映画でのこの夫婦のなれ初めは、現代的にアレンジして、マッチングアプリをきっかけにしているのですが、そこから生まれる男女の関係や心情は、100年前と現代とでも、本質的には変わってないなと感じました。
僕が演じた夫はある秘密を抱えているんですが、プライベートでも自分の持っている感情をすべて相手に100%伝えることができる恋愛をしてきたかというと、できてない。そして、どんなに相手を理解しようとしても、それもできない。そういった部分が、本当に共感できる作品だと思います。
お仕事がひと段落して、コロナ禍が落ち着いたら、また海外に行きたいですね。そのときは俳優としての勉強……というよりも、知らない文化に接してみたい。自分の常識が覆る瞬間こそ、人間としても役者としても勉強になると思うんです。
一昨年は映画の撮影で一か月、カンボジアに行ってきましたが、それこそ常識が更新される瞬間に出合えて、すごく楽しかったです。撮影現場ではクメール語と英語が飛び交っていて分からない瞬間がたくさんありましたが、不安はなかったですね。僕の経験上、どんな場所でも“行けば都”なんです(笑)。
細田善彦(ほそだ・よしひこ)
1988年生まれ。東京都出身。2003年にNTT東日本『キャラクターDENPO』のCMでデビュー以降、ドラマ、映画、舞台、CM等、幅広いジャンルで活躍。現在、TBS ドラマストリーム『理想ノカレシ』やNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』などに出演中。
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