■反町隆史の演技に漂う“浮いている感じ”の正体

 ドラマライターの板橋六郎氏はこう分析する。

「たしかに反町さんの演技は浮いていますよね……。ただ今回、反町さんには可哀相な面があると思うんです。というのもまず、今回のドラマの内容はスポーツとスポーツマネージメントの話。

 元プロサッカー選手役の綾野さんは当然、芳根さんや彼女のライバルの増田さんの役柄も、ビジネスマンながらスポーツ現場に顔を出す、動きの多い元気で活発な役ですよね。一方、反町さんはスポーツマネージメント会社の社長役。基本的にはオフィスにいて、周囲が“動”の演技をしているところに、“静”の演技が求められる。そこでまず目立ってしまうところがあると思います」(以下、すべて板橋氏)

 さらに板橋氏は「またやはり、反町さん自身も、そして見ている私たちも『相棒』を引っ張ってしまっているところがあると思いますね」とも話す。

 我々視聴者の中にも『相棒』のイメージがいまだに色濃いようだ。

「今回演じる高柳社長は、腹に一物を抱えた、まだ味方なのか敵なのか分からない人物です。本来はもっと“腹黒イメージ”の役者がやるのが適任だったのではないかと思います。反町さんは元来、器用な方ではないと思いますが、『相棒』を感じさせる演技、またそのイメージが払拭されておらず、高柳社長役にどうしても違和感を抱いてしまうんですよね。

 現状、視聴者も感じてしまっているという“浮いている感じ”は、そうしたことが原因なのではないでしょうか」

 反町は歴代最長の“相棒”を演じたこともあり、役に引っ張られる、役のイメージが抜けないというのも仕方がないことだろう。今後の『オールドルーキー』では、『相棒』の冠城のイメージを払拭するような素晴らしい演技を期待したい!

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