■智の“ほぼストーカー”15年愛は無残に終焉へ

 そして、暢子に思いを寄せる智は“ほぼストーカー”と言えるほど独走中。智は行動力があって、かつ非常に執着心の強い男で、暢子と交際もしていないし、もちろんプロポーズもまだしていないのに、せっせと外堀を埋めているのだ。

 6月29日放送の第58話では、智は野菜の仕入れのために沖縄・やんばる地方に出張に行こうと思っていると暢子に話す。そして暢子に同行を求め、「おふくろにもちゃんと報告したい。暢子が一緒にいてくれたら話も早いさ。もちろん旅費は全部俺が持つ。考えといて」と言い放つ。

 片岡鶴太郎(67)演じる沖縄県人会会長の平良三郎は「一緒に親にあいさつって、話はそこまで進んでんのかい?」と暢子に尋ねるが、暢子は「いえ、全然そんな……」と答えるだけだった。

「智は、暢子と付き合ってもないんですよ。それでいきなり“おふくろにもちゃんと報告したい”って、怖ろしいですよね。やんばるの幼なじみ時代から約15年間も暢子の片想いをしている智。その間に彼の頭の中では暢子とのいろいろなやり取りが妄想がされ、それが半ば現実のものとなって、何もないはずの“間”がすでに埋められてしまっているのではないでしょうか。冷静に見れば、まだただのイチ幼なじみなのに、もう結婚すると。“交際”と”恋人期間”がすっぽりと抜け落ちてしまっています。

 そして来週以降、智は“暢子と結婚する予定”とやんばるで勝手に報告するような予告もある。しかし、その直後、暢子と惹かれあっている和彦との対決があり、そこでついに、智の15年に及ぶ暢子への片想いが無残に終焉を迎えそうなんです……。愛とは全く比べられませんんが、ちょっと可哀相ではありますね」(前出のテレビ誌編集者)

 いよいよ、ドロドロの四角関係が決着を迎えていきそうだが、“恋愛編”はそれだけではないというのだ。

仲間由紀恵さん(42)演じる暢子らきょうだいの母・優子と、山路和弘さん(67)演じる共同売店の店主の善一さんの“第二の青春”も大きく動きそうな気配なんです」(前同)

 優子は善一が経営する共同売店の店員として働いているのだが、妻を亡くした善一は、何やら優子に対して気がある様子で、重い荷物を持たせないように配慮する姿などが描写されている。

「善一さんは本当に長らく比嘉家をさまざまな面で支えてきました。しかし、奥さんを亡くしたとはいえ、ここにきて現われてきた優子への好意。これに対して視聴者の中では、優子への下心がずっとあったから一家を助けてきたのでは、という疑念が生じているんです。現実社会でも起きそうなリアルな話ではありますが、それが妙に生々しくて、“気持ち悪い”という声が出てしまっていますね」(同)

 視聴者からは、「善一さんわかりやすくそしてキモい感じで優子を女扱いし始めたな」「善一さんがキモい人になってるのはダメだよ」「善一さんが優子にべったりでキモい」と、2人の“第二の青春”に対して「キモい」という、かなりキツイ拒否反応がSNSに多く寄せられている。

 そして何より、「ヒロインの暢子が、婚約している愛から和彦を略奪する」という、爽やかな朝ドラを見たい視聴者が望まない最悪な展開が現実となる気配が、いよいよ濃厚となってきているのだ。そうなれば、反感の嵐がこれまで以上に吹き荒れることは必至だろう。

「今までは、SNSが大荒れする程度ですんでいましたが、そうはいかなくなるのではと……。朝ドラの視聴者層が一番嫌うのがドロドロ恋愛、略奪愛といった要素でしょう。2019年度後期朝ドラ『スカーレット』で黒島さんが演じた略奪未遂の女性、三津を忘れていない人も多い。

 これまで『ちむどんどん』のドタバタ劇を楽しんでいた視聴者も、ヒロインによる“略奪愛”が成立してしまえば、いよいよドラマから大量離脱、その結果、視聴率の急降下ということも十分ありえるでしょうね」(前同)

 朝ドラの大荒れ展開に、視聴者はこれまで以上に「わじわじ」(=イライラする)しているようだが、「ちむどんどん」(=心がワクワクする)するときは、はたしていつになるのかーー。

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