■何かあったら「まずグレープカンパニー」

 テレビマンからもグレープカンパニーと所属芸人は重宝されているようだ。バラエティ番組アシスタントプロデューサーはこう話す。

「“収録まで時間がない”、“企画が急遽変わった”、“めちゃくちゃややこしい案件”みたいな緊急事態になったら、まずグレープカンパニーさんに連絡しますね。グレープカンパニーさんはとにかくリアクションが早いんですよ。タレントさんのスケジュールをすぐに出してくれる。キャスティングする側からするとやっぱりそれが一番ありがたいんです。

 また、バラエティ番組では芸人の私生活や交友関係をネタにしたドッキリ系の企画が人気ですが、一般的なお笑い事務所は、担当マネジャーが自分の記憶を頼りに、番組スタッフからのヒアリングにその場でネタ出しをすることが多い。

 ところがグレープカンパニーの場合はマネージャーがまず芸人がプライベートでつき合いのある後輩芸人に電話で事細かく聞いてくれるんです。さらに、それで足りないとなると、後日、後輩芸人を事務所に呼び出し、番組ディレクターに聞き取りの機会を与えてくれることもあるんです」

■若手芸人、テレビマンにとっての理想の事務所

 その後輩芸人たちはノーギャラで、マネージャーもギャラを要求したりしないという。

「そこまでしてくれたら出演する芸人の深くて細かいエピソードが出てくるので、ディレクターは面白いVTR、番組が作れるんです。グレープカンパニーとしても所属芸人のVTRが面白くなり、視聴者や他のテレビマンからの評価も上がる。さらに、売り出し中の若手芸人たちはディレクターに顔を売ることができるという理想的な相乗効果が生まれるわけです。

 今回のしんいちさんのゲスなスキャンダルに対するコメントにしても、しんいちさんの好感度を落とすことなく、むしろ上げて“おいしくなる”ような理想的なものですよね(笑)」(前同)

 好感度ナンバーワンの国民的芸人・サンドウィッチマンが立ち上げた事務所も、業界内好感度ナンバーワンのようだ。

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