■西島秀俊推しではもたない?

 また、西島推しのシーンが多く、会社を飛び出した海斗を追う姿は、『MOZU』(同局系)の公安・倉木警部。バーベキュー料理をする姿は、『きのう何食べた?』(テレビ東京系)のシロさんを思わせた。また、『真犯人フラグ』(日本テレビ系)で共演した、小林きな子(44)が学校の先生役でゲスト出演し、亀田運輸社員の再会となった。

 ほとんど、“西島秀俊まつり”と呼びたくなる今回だったが、そのせいで、メインの永野と杉野の存在が薄くなってしまった。西島ファンは喜んだだろうが、「ちょっと脚本が甘くて残念。西島秀俊さんをムダづかいしてる」などと、恋や人間模様の描き方が中途半端だと、脚本に対する批判もある。

 火曜ドラマ枠といえば、16年放送の『逃げるは恥だが役に立つ』や『義母と娘のブルース』となどのヒット作が記憶に残っているが、20年放送の『恋はつづくよどこまでも』と『私の家政夫ナギサさん』の大ヒット以降、“胸キュン”ドラマのイメージが強くなっている。

 前期は『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』と、大人の恋を描いた変化球だったものの、メインのテーマはあくまでも恋愛。『ユニコーンに乗って』が西島の“おじキュン”頼りで、このまま恋愛要素をふんわり描き続け、永野と杉野の“キュン”が不足なままだと、さらなるジリ貧状態を迎えるかもしれない。(ドラマライター/ヤマカワ)

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