■厳しい声があった清原果耶の『おかえりモネ』もきちんと評価

『カムカムエヴリバディ』のひとつ前、清原果耶(20)主演の2021年前期作品『おかえりモネ』は、宮城県気仙沼市で生まれ育ったヒロインとその周囲の人々、東日本大震災のトラウマなどを丹念に描く作品だった。しかし、「朝から暗い」といった意見も寄せられ、「朝ドラにふさわしいのか」という批判の声も上がっていた。

 2021年11月4日に行なわれた定例会見で前田会長は、『おかえりモネ』について〈人と自然の繋がりや地域で生きることの意味を問いかけたドラマだと感じた〉〈深刻なところもあって、“朝からそんなことをやるのか”と言われたらそうだけれど、明るくやればいいわけじゃない。いろいろ試してみて、ということ。『朝ドラはこういうもの』というのは、あまりないほうがいいと思う〉と、朝ドラのステレオタイプ的なストーリーを打破しようとした同作を評価していた。

 しかし、先の9月1日の定例会見で前田会長が『ちむどんどん』について語ったのは、〈ドラマということでご理解いただきたいと思う。いろんなご意見をいただきながらドラマは成長していくと思う。あと1か月ありますので、最後まで楽しんでいただければと思っています〉という、内容や制作陣の狙いへの評価はまるでナシのなんともさっぱりとしたものだったのだ。

「東大法学部卒の前田氏は富士銀行出身。2000年に富士銀行と第一勧業銀行、日本株式銀行の3社を統合したみずほホールディングスが誕生したのちに設立されたみずほフィナンシャルグループで、前田氏は社長、会長を歴任し、2011年まで重役を務めていた。

 伝統を重んじる銀行で3社をまとめあげた豪腕が買われ、前田氏は2020年1月にNHKの会長に就任。その後は、“孤高の改革者”として局員に強烈に嫌われながら、NHK改革を断行しています。『ためしてガッテン』として1995年に始まった『ガッテン!』を2022年2月に終わらせ、その際は25年以上の長きに渡って司会を務めてきた立川志の輔師匠(68)が、あまりの強引な打ち切りの仕方に激怒したとも報じられました。

 現在は、“聖域なき『紅白歌合戦』改革”にも臨んでいるとも言われる前田会長。そんな“改革の鬼”であっても、『ちむどんどん』には匙を投げ、まるで“他人事”のようなコメントを出すにとどまったんです。もはや改革、改善もしようがない、ということなのか……。『ちむどんどん』が日々受ける猛バッシングは、前田会長をもってしても、“触らぬ神に祟りなし”といった状態なのかもしれませんね」(前出の夕刊紙デスク)

 9月1日には、『ちむどんどん』が8月31日でクランクアップしていたことが報告された。前田会長も“見限った”異例の炎上朝ドラは、どのような最終回を迎えるのだろうか――。

NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』
NHK総合 月~土 8:00~8:15、12:45~13:00(土曜は一週間の振り返りを放送)
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/chimudondon/

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