■浜田にしかできない「1時間番組を45分程度で撮る」テクニック

 通常の1時間番組のバラエティの場合、2時間弱ほど収録して、そこから放送に値する場面を繋ぎ合わせて作るが、浜田にMCをやらせるとこの収録が1時間どころか、40分で終わることも珍しくないという。

「捨てどころがなくて、CMの時間とかも計算できるんちゃう?」

 と、15年の『アッパレやってまーす!』(MBS)にてケンドーコバヤシ(50)は推察していた。60分番組はCMを抜くと45分ほどで、それに浜田が合わせてMCとしてコントロールしているということだ。「40分」というのは、それにくわえて、後から入るだろうVTRなども配慮しての尺だと思われる。

 また、おなじくMC芸人として知られる今田耕司(56)も「表だけではなく、裏がすごい」と6月16日放送のラジオ『あさナビ』(ニッポン放送)で、こう話していた。

「誰にでも強く言って“バンッ”と行くイメージがありますけれど、真似のできない気遣いがある方です。僕ら後輩がゲストで出させていただいているときも、気遣いされているのが伝わります」

「ゲストの方に対して、言うべきところは言って、フォローすべきところはフォローする。“この人に対してはどのように接すればいいのか”ということが完璧です」

■「とにかく出演者ファースト」とスタッフも評する

 また、TBSで『リンカーン』『キングオブコント』『ザ・ドリームマッチ』『お笑いの日』などダウンタウンが絡む番組に演出として携わり、現在は『東大王』の総合演出も務める浜田諒介氏は『リンカーン』のADが仕事の原点だというが、

《浜田さんにはいろいろ教えていただいて、とにかく出演者ファーストなんですよ。

 1年目からフロアをやらせていただいていたのですが、段取りをミスると、手をクイクイクイってされるので浜田さんの真横まで行くんですけど、「お前リハしたんか?」「はい」「何のためのリハやねん」「本番のためです」「できてへんやないかい」「はい、すみません」「いいか、ここにいる芸人は、この収録で売れるかもしれないし、逆にダメになるかもしれない。その緊張感で来てるのに、お前らスタッフが同じ緊張感を持ってなくてどうすんねん」とおっしゃっていただきまして。

 耳打ちレベルのゼロ距離なんで、めちゃくちゃ怖いなと思いましたけど(笑)、その言葉は今でも収録に臨む際には常に心に留めていますね》

 と、21年9月1日に『マイナビニュース』の連載企画『テレビ屋の声』で語っていた。

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