■不自然に持ち上げられる、広瀬すず・なつが大不評だったのに……

 草刈は『なつぞら』のヒロインで、戦災孤児だった奥原なつ(広瀬)が引き取られた牧場のオーナー、柴田大樹を演じ、優しくも厳しくなつを導く姿が大好評を博した。『ちむどんどん』の演出チーフの木村隆文氏は『なつぞら』でも演出チーフを務めており、2016年度大河ドラマで、堺雅人(48)主演『真田丸』でも演出を務めている。この『真田丸』で草刈は真田昌幸を演じ、“前半戦の主役”とも称された人気を獲得していた。

 さらに、前述の『女性自身』では、『ちむどんどん』と『なつぞら』には、川口春奈(27)演じる暢子の姉・良子の夫の石川博夫を演じる山田裕貴(31)、養豚場の主人・猪野寛大を演じている中原丈雄(70)、和彦の父・史彦を演じた戸次重幸(48)、暢子が高校時代に料理対決をしたライバル校のエースを演じた池間夏海(20)といったキャストが共通して登場していることが指摘されている。

「『ちむどんどん』制作サイドは、起死回生の策として『なつぞら』でも人気を獲得し、役者としての格、圧倒的な存在感、抜群の演技力を兼ね備える“完璧俳優”ともいえる草刈さんにオファーをしたということなのでしょう。

 ですが、そもそも『なつぞら』自体が賛否両論分かれる朝ドラなんですよね。広瀬すずさん演じるヒロイン・奥原なつは、育ての親の実子で、福地桃子さん(24)演じる柴田夕見子そっちのけで可愛がられていました。なつは自分勝手で相手への思いやりも表現せず、常に表情に乏しい。その割には、作中で“スゴい”と持ち上げられることが多く、“なちゅ様”、“おなつ様”、“姫”と揶揄する視聴者もいました。

 アニメーターとして働きだしてからも、不自然なほどなつに好意的な登場人物しか出てこないんです。渡辺麻友さん(28)演じるアニメーター・三村茜は、妊娠したものの、産休明け以降は契約社員に切り替えられるという会社のルールに納得いかず、茜は退職。翌話では、その1か月後になつの妊娠が判明し、なつは契約社員になっても働くと意思表示。するとアニメーター仲間が総出で、なつのために産休明けに契約社員に切り替えるルールについて社長に抗議しに行く……という展開になりました。

 なつの子どもが1歳になってからは、茜が自宅で3年以上預ってくれることになり、なつは仕事と育児の両立に葛藤することもなく働くことができたのですが、その流れに対しても、“育児のためにやりたかった仕事をあきらめた茜さんが、夢をあきらめず出世して活躍する元同僚の子を毎日フルタイムで預かるの、どんな気持ちだろう”、“なつ様だけかばってくれるんだね”と大不評でしたね。

 賛否両論の作品、“広瀬すずがかわいいだけの朝ドラ”なんて厳しい声もあった『なつぞら』。その、決して好感度抜群ではなかったドラマの要素を足し、ついには草刈さんまで投入しようとしている。そこまでしてより炎上したら……恥の上塗りではないですが、テコ入れ情報への批判は当然のように感じられてしまいますね」(前出のテレビ誌編集者)

 草刈が『ちむどんどん』に出演するという報道について、視聴者からは「草刈正雄に大博打させようとするのやめろ」「これ以上犠牲者は……」「出すとしても何役で出すのよ?」と、草刈の出演が“無駄遣い”になりそう、そしてそれに対して“待った”といった声が数多くSNSに寄せられている。

 9月30日の最終回まで残すところ13話となった『ちむどんどん』。視聴者が納得いく“大団円”となるのだろうか――。

NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』
NHK総合 月~土 8:00~8:15、12:45~13:00(土曜は一週間の振り返りを放送)
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/chimudondon/

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