■いきなり浮上した加賀美・眞島秀和

 冴と慎太郎、正樹と愛菜美、それぞれが再会すると、これまで言えなかった本音を明かす。そして、正樹は冴に、過去の罪悪感を乗り越えるぐらい、冴のことが好きだと告白。抱き合う2人のシーンで穏やかに終わると思いきや、正樹のもとに「すぐそばに禍が迫っている。過去からは逃れられない」という、不穏な手紙が届く。

 これは、5年前の音楽教師殺害の罪で刑務所にいる、冴の元クラス担任・加賀美(眞島秀和/45)からの手紙。ラブストーリーとは筋違いのミステリー展開に、視聴者からはツイッター上で、「純ドロな不協和音で乱れに乱れてるのに、加賀美先生まで本格参戦してきて、最終回で華麗に着地できる?」などととまどいの声が。

 正樹の冴への告白や、慎太郎の改心でホッとしていたところに、5年前の殺人事件が復活。さらに次回は、冴の母親の胃がんの再発や、学校法人「立秀学園」の理事長を務めている、正樹の父・秀雄(神保悟志/59)の問題発覚など、残り2回しかないのに内容がとっ散らかってきた。

 ドロドロした複雑な恋模様と、悪意が暴走するジェットコースター的展開はスリリングだが、混沌としすぎてしまい、物語が堂々巡りになっているのは残念だ。視聴者も付いていけなくなったのか、視聴率3%台が続いており、期待されていた最終回へ向けての盛り上がりは、どうやら難しいようだ。(ドラマライター/ヤマカワ)

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