■世界初の歴史的快挙
とはいえ、当の大谷は9月25日時点で規定投球回まで、あと9回と迫っている。
打席数と投球回の双方で同時に規定クリアとなれば、もちろん、これは世界初の快挙。MVPに向けても、これ以上ない追い風だ。
「ローテーション通りに回るとすれば、残る先発予定は2回。ですが、幸いエンゼルスには、すでにポストシーズン進出の可能性はありませんから、もし届かなければ、おそらく投球回の不足分を補う3回目もある。あとは、そこで達成された偉業を、投票権を持つ記者陣がどう見るか。個人的には十二分に歴史的だとは思いますけどね」(同)
■サイ・ヤング賞の可能性も
一方、バーランダー(39)やマクラナハン(25)らが、しのぎを削るサイ・ヤング賞は、公式サイトの最新投票でも圏外と、情勢はかなり厳しい評価。ただ、米メディアでは、79年のナ・リーグで一度あった前例を引き合いに、同時受賞の可能性にも言及されている。
「最右翼であるバーランダーが故障者リスト入りしたのは、大谷にとって追い風。残り4~5回と見られる登板機会でノーヒットノーランなどの圧倒的な内容を見せつければ、可能性は一気に高まるはずです。大谷が今年、大逆転でサイ・ヤングを受賞したら、その勢いのまま、脂が乗り切る30代前半まで、MVP候補になり続けるのでは」(専門誌記者)
今後、5年先まで期待されるMVP。“ショウタイム”は、まだまだ続く。