■『テッパチ』恋愛要素のなぜ

 町田の熱演は好評だったが、防衛省の全面協力にもかかわらず、自衛隊と関係ないエピソードが描かれるなど、あまりにもストーリー展開がお粗末だった。男たちの汗と涙の青春ドラマを期待した視聴者が離脱していき、初回の視聴率は7.6%だったが、早くも3話で5%台を下回った。

 さらに、宙と桜間冬美1尉(白石麻衣/29)の恋愛要素も不評で、「ムダな恋愛要素で一気に安っぽくなっちゃってるのが本当もったいない。わざわざ自衛隊を舞台にしてやる話じゃない」「おバカなことやって恋愛やって、楽しい男子校のノリでガッカリ」と酷評。まさに町田啓太のムダづかいと終わった。

 ここまで2人の明暗を分けたのは、それぞれが演じた役の違い。赤楚はこれまでのワンコ系にプラスして、新しい演技に挑んだが、町田は肉体派のイケメンという冒険のない役どころ。もちろん、本人ではなく制作側の事情なのだが、役者として得るものがない、残念な仕事に終わってしまった。

 2020年10月期放送のドラマ、“チェリまほ”こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)で、イケメン同士の純愛BLを演じてブレイクした赤楚と町田。それぞれがドラマや映画で活躍していたが、今期ドラマで俳優として差がついたようだ。

 赤楚は次期NHKの朝ドラ『舞いあがれ!』の出演が決まっており、いよいよ人気は全国区へ。一方の町田も、NHKの正月時代劇で宮藤官九郎脚本の『いちげき』に挑み、黒歴史を吹き飛ばすような剣劇を見せてくれそうだ。まだまだ伸び盛りの2人に期待したい。

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