■「ヤラセ」の裏側をあえて見せるのは過去のトラウマゆえか

 また、夜にツシマヤマネコをウォッチングする企画についても、「まれにみる極小サイズ」なクワガタをあたかも「巨大クワガタを見つけた!」というリアクションをしたり、宮川が自分で顔の近くに小さなカニを登らせて「ちょっと取って」「耳、耳!」「こんな柔らかいところ(耳たぶ)、プチン行くやんけ!」といかにもアクシデントがあった風な映像を撮ろうとしたりと、苦労する光景をそのまま流した。

「これを“ヤラセ”と言うのはさすがに気の毒ですが、どうにか嘘っぽくても演出で盛り上げようという悲哀を感じさせます。それと同時に、こうして裏側をしっかり映すことで“面白い映像にするために多少盛ることはありますよ”というのを強調しているのは、やはり過去の件で引きずっているのかもしれませんね」(前同)

『イッテQ』では、2018年に宮川が担当している「お祭り企画」で行ったラオスの橋祭りが実際は存在しないお祭りだったことが『週刊文春』(文藝春秋)で報じられ、その後「現地のコーディネーターが番組のために用意したものであったのに制作スタッフが把握していなかった」ことが発覚。日テレが公式に謝罪する事件があった。

■今年他局の番組でヤラセ報道があったばかり

 他局だが『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)は今年1月9日に『文春オンライン』が、番組の名物キャラクター・あばれる君(36)が漕ぐイカダが小舟にけん引されたり、スタッフが作業を手伝っている様子などを証拠写真付きで報じ、業界も「ヤラセ疑惑」には過敏になっていることもある。

「視聴率そのものは同時間帯のコア視聴率でトップの7.2%だったし、次週の10月2日放送回は特に視聴率が獲れる存在であるイモトアヤコさん(36)の企画だし、そういう意味では安泰ではありますが、今回のように未熟なスタッフの面倒を見たり、ヤラセ感が出ないように気を配り続けなければいけない宮川さんは本当に大変ですよね……。フラストレーションをロケに昇華してほしいものです」(前同)

 超高速マイムマイムを踊り切ったり、足場の悪い山道を全員で登りまるでストーンヘンジのような「王位石」を訪れ、安藤隊員も「本当にいろんなところが鍛えられて。人間力も鍛えられた」と手ごたえを感じた今回の宮川探検隊。宮川はスタッフの育成という根幹を支える、得がたい人材なのかもしれないーー。

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