■「自然体」「スベリ芸」…多くを後輩に与えたさまぁ~ず三村

「三村さん本人は『笑わず嫌い王』の常連で、当時のおぎやはぎも若手だったため、このエピソードを覚えていませんでしたが、小木さんは本当に感謝しきりでした。今回の『夜会』では、それ以外にもさまぁ~ずや三村さんを強く慕っていることを熱弁していましたね」

 小木は『夜会』に2人そろって出演したことについて「三村さんと出たい」と話していたことや、「バカルディ(改名前のさまぁ~ず)をテレビで観て芸人になろうと思った」「一番好きなグループ」と告白。これについては三村もおぎやはぎの力が抜けた感じを「俺らっぽいのが出てきた」と感じていたそうだ。おぎやはぎに限らず、さまぁ~ずの「すげー身近に感じられちゃう」スタイルは40代後半の多くの芸人に影響を与えたという。

 小木いわく「ああいうタイプって、すぐなれると思うじゃないですか」「素の本当の只のお兄ちゃんが出てる感じ」なバカルディを見て自分たちもイケると芸人を目指したものの、「なってみたら一番難しい存在」と気付き、出る側になって「バカルディってすげぇな」と痛感したそうだ。

 有吉も三村について「尊敬はできるけど緊張はしない先輩」と気の置けない存在であることを告白していることからも、三村の「自然体」でいる能力の高さがよくわかる。

■三村が生み出した新しい芸がもう1つ

「また、ウッチャンナンチャン内村光良さん(58)による『内村プロデュース』(テレビ朝日系)でも三村さんはレギュラー出演していて、おぎやはぎも『若手芸人下剋上』のコーナーにゲストでよく出ていましたが、これに関して、芸人目線でないと気付かない三村さんのテクを語っていました」

 三村は「スベり笑い」で笑いを取っていたが、小木いわく「実はテレビで観てるとわからないけど、あの場にいたら次の人がやりやすいスベリ方をしてる」「あれをテレビで初めてやってくれた人」と解説。周囲にとって「スベッていいんだ」という空気づくりをしてくれていた件を振り返り、「先輩が上にいるから、俺らもすごい楽になった。道を作ってくれた」としていた。

「さまぁ~ずが出る前、関東芸人は”何でやねん!“に該当するワードがないせいで、関西芸人ならできて当然のツッコミが上手く行えずに大変苦労したといいますが、三村さんが” 〇〇しちゃったよ!““〇〇かよ!”というツッコミを多用してそれが定着していった、というのも有名なエピソードです。こうして振り返ると、現在まで続くいろいろなフォーマットを普及させた芸人でもあるんですよね。

 しかも、それがいまや当然すぎて、後輩芸人らが解説しないとピンとこないところまで来ている。まさしくレジェンドといっていいでしょうね」

 関東芸人の歴史を語るうえで欠かせないさまぁ~ず。改めてその影響力が伝わったーー。

『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)

https://www.tbs.co.jp/the-yakai/

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