■吉沢亮『PICU』に負けたけれど

 立石が診断した病名は、誰かに依存して自傷行為を繰り返す「境界性パーソナリティ障害」で、諏訪野は瑠香の左腕の火傷の痕が元夫の名前になっていることに気づく。それを尋ねると、瑠香は「優しいあの人に会いたいの!」と答えたため、諏訪野が彼女のカルテを見返し、これまでの言動を思い返すと……という展開。

 視聴者のツイッター上の反響は、「コミカル要素ありつつ、医療モノならではのシリアスさがあって、ちょっと重たいけど最後には救われる1話完結が良い」「どんな役であっても玉森が演じるとクサくならないから不思議だ。脇を固めるキャスティングも好印象、この先も楽しめるドラマになりそう」などと、期待の声が多かった。

 視聴率も悪くないスタートだが、同じ医療ドラマで吉沢亮(28)主演の月9ドラマ『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ系)は10.3%と2ケタ超えで、大きく差を付けられてしまった。しかし、『PICU』は初回から子どもの死が続くなど、内容が重いという不安点がある。

 キャストも脚本も悪くないが、『PICU』がこのまま変わらなければ、「週の初めに見るには疲れてしまう」などの苦言が出てくるだろう。そのため、長い目で見ると、1話完結でスッキリできる『祈りのカルテ』が支持を集めそうだ。今後の2番組の行方を見守りたい。(ドラマライター/ヤマカワ)

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