前回に続いて、モノマネ芸人の原口あきまささんとの対談です。前回は、テレビでは分からない原口さんの意外な一面を、いくつか知ることができました。サービス精神旺盛で、超ポジティブな原口さんですが、お笑いでスベってしまったとき、実は一人で音楽を聴きながら泣いているそうなんです。原口さんのキャラからは想像もつかなくて、私もビックリ! 今回は、原口さんの“モノマネ道”について、話を聞かせてもらいました!
ゆま「原口さんは、芸歴でいうと、どのくらいになるんですか?」
原口「28年になるかな。もともとは、コンビで始めたんだけど、5年ぐらいで解散して、それからはずっとピンで活動してるよ」
ゆま「モノマネを始めたのは、いつぐらいから?」
原口「コンビの頃から遊び半分ではやってたけど、本格的に始めたのはピンになってから。だけど、当時はモノマネがやりたかったわけでもなくて。ピンになったとき、自分ができることといえば、正直な話モノマネぐらいだっただけで」
ゆま「ええっ!? 最初から、モノマネが好きだったんだと思っていました」
原口「もちろん、好きではあったけど……。でも、当時は若さゆえに俺もトガっていてね、モノマネをやりつつも、“人のキャラを借りて、何が面白いんだ?”みたいに考えていた」
ゆま「意外です。とはいえ、原口さんはその後、モノマネの道を突き進んでいくわけですが、何かキッカケでもあったんですか?」
原口「一つは、先輩のモノマネ芸人さんたちの影響が大きいかな。モノマネという、一つのことを極めている先輩方の姿勢を見て、これは俺も極めれば、大きな武器になると思ったんだ」
ゆま「武器というのは!?」
原口「たとえば、バラエティ番組のひな壇に呼ばれやすくなったり。MCの人も、ひな壇に俺がいれば、“さんまさんはこの件、どう思いますか?”みたいに振ってくれるし、それに対してモノマネで返せるからね」
ゆま「なるほど。モノマネができるだけで、他の芸人さんとは違う“返し”ができるんですね」
原口「そう。ちょうど、それに気づき始めた頃、タモリさんのモノマネで有名なコージー冨田さんと、俺のさんまさんのモノマネがありがたいことにブレイクして。本当に運が良かったね」
ゆま「私、原口さんのモノマネでスゴイと思うのは、本当に自然な感じで、その人になりきっていらっしゃるところです」
原口「それは自分でも意識している部分。実はモノマネの世界って、モノマネ四天王(清水アキラ、ビジーフォー、栗田貫一、コロッケ)の時代で、すでにやり尽くされていたんだ。モノマネ=マネる人物に少し変化を加えて、みんなを笑わせるってな感じで、確立されていたんだ」
ゆま「確かに、コロッケさんみたいなモノマネ芸が多かったですよね」
原口「そう。一つの芸として仕上がっていたわけよ。そこに今さら俺が入り込めるわけがない。じゃ、どうするかって考えたとき、“ナチュラルなモノマネ”なら、まだ、誰もやっていないんじゃないかと思ったのよ」