■『テッパチ』に続く悪夢

 視聴者のツイッター上の反響は、「クライマックスでエイジがサイに“僕の勝ちだ”ってつぶやいてからの目、視線、表情。もちろんセリフの演技もすごいんだけど、あの目の演技に圧倒されて、あぁ、やっぱり俳優山田涼介ってすごいなって思った」などと、山田の熱演に対する評価が高かった。

 確かに、壮絶な拷問シーンなど、山田は体を張った演技で頑張っている。しかし、ツイッター上の投稿内容を見ていくと、称賛の声は山田のファンからばかり。一方で、サスペンスドラマに多く見られる、事件の真相や黒幕を考察する投稿は少なく、盛り上がりに欠ける状態だ。

 また、ナミや白菱のキャラ設定など、原作を大きく改変したことで、原作ファンが離脱したことも影響しているだろう。だが、なにより致命的だったのは、3話連続でのグロい拷問シーンだ。今回はバックにHey!Say!JUMPによる主題歌が流れ、視聴者の不快感を和らげる配慮を匂わせたが、その効果は薄かったようだ。

 今回でサイ編が完結し、次回から“B一”の存在感が増す新章となる。大きく物語が動くと思われるが、一度離れてしまった視聴者を戻すことは難しい。同枠で前期放送された、町田啓太(32)主演の『テッパチ!』の全話平均視聴者4.8%を下回る、超爆死はほぼ確定だろう。

 山田は『大怪獣のあとしまつ』『鋼の錬金術師』シリーズと、主演映画で大コケが続いている。演技に対する評価は高いだけに、今作まで黒歴史になってしまうのは惜しく、ファンならずとも“かわいそう”に思えてしまう。(ドラマライター/ヤマカワ)

  1. 1
  2. 2
  3. 3