大谷翔平(28)が年俸3000万ドル、日本円にして約44億円の1年契約でエンゼルス残留を決めた。
「大谷は年俸調停の申請権も持っていましたが、今回は本人の意向で回避した格好です。もっとも現時点でも、年俸調停の権利を持つ選手では史上最高年俸。2450万ドル増の昇給額も、2018年オフのデグローム(メッツ)を抜いて歴代最高になりました」(スポーツ紙MLB担当記者)
■44億円は適正か
では、この単年契約で「44億円」は、彼の価値として適正なのか。大リーグ評論家の福島良一氏は、「双方にメリットのある契約」と指摘し、こう語る。
「MVP級の活躍はもちろん、チケットやグッズ売り上げなど営業面への貢献も考慮すれば、最低でも年俸5000万ドル以上の価値が、彼にはある。その意味では、球団側が“得をした”という見方もできます」
もっと高額年棒を狙えたはずなのだ。ただし、「大谷から要望がなければ、代理人も調停に動けない。大谷は早く落ち着いて、来季の準備がしたかったんでしょう」(前同)
“激安”で早期決着した理由の一つが、来年3月に開催される第5回WBCだ。“二刀流”での出場に意欲を見せる大谷にとっては、いつにも増して調整が重要なオフになる。
「仮に年俸調停に踏み切った場合、来年2月のキャンプインの時期に調停が行われる。そこで決裂してトレードにでもなれば、環境もガラリと変わり、WBC出場も不透明になります。その点、エンゼルスに残れば、ミナシアンGMもすでに、WBC出場を“やりたいことをやるべき”と公言し、全面的に容認しているので安心です」(同)
日本の恩師もエンゼルス側の動きに、すぐ反応した。
「日本代表の栗山監督も“GMが『日本の野球のために』と言ってくださるのはうれしい”と発言。すでに日米の関係者間で、出場の確約を取りつけているとの話です」(前出の記者)
つまり、大谷のWBCに出場したいという“サムライ魂”が、今回の単年の激安契約につながったわけだ。