■売却を検討中のエンゼルス
もちろん、大谷ほどのスターであれば、球団側も、長期の大型契約を求めたはず。まして、売却を検討中のエンゼルスにとっては、大谷自体が球団の資産価値でもある。
「球団側も当然、長期契約が理想。選手側に選択権のある条項をつけたとしても、彼には残ってほしいはず。ただ今回は、大谷がそれを選ばなかったんです。来オフのFAを見据えて、使えるオプションを手元に残したほうがいい、と判断したんでしょう」(福島氏)
■ヘルナンデスとスタージェル以来のW受賞の可能性
世界を揺るがすような大型契約は来年に持ち越しとなったが、この銭闘に影響を与えそうなのが、大谷とMVPを争う“ライバル”でもあるヤンキースのジャッジ(30)の動向だ。
「このオフにFAとなるジャッジは、開幕前に提示された7年総額2億1350万ドル(約310億円)という条件を蹴っている。今季は61年ぶりにシーズン記録を塗り替える62 本塁打の大活躍。新たな契約が史上最高額となるのは確実です」(スポーツ紙記者)
よりよい条件を引き出したい大谷の代理人からすれば、彼の本当の価値を測るうえでも、このオフにライバルに提示される金額が、一つの目安となるわけだ。
「もはや、大谷の比較対象はジャッジだけ。11月中旬に発表されるMVPも、大谷の投打ダブル規定クリアで混沌としてきています。一部では、ヘルナンデス(カージナルス)とスタージェル(パイレーツ)が得票で並んだ79年ナ・リーグ以来のダブル受賞も議論されているとか」(前同)
MVPにWBCへの参戦。オフも“翔タイム”は続く。