■鈴鹿央士に絶賛が相次ぐ

 問題のシーンはラスト前8分で、紬は、湊斗とフットサル場のベンチで2人きりになると、3年前から耳がほとんど聞こえなくなった、想の葛藤に思いを馳せ、感傷的に語った。湊斗は無言で聞いていたが、「紬、お願いがあって」と切り出し、「別れよう、好きな人がいるから」と告げた。

 これは、想が紬に別れを告げたメッセージと同じ。そのため、視聴者はツイッター上で、「想の“好きな人がいる。別れたい”の好きな人は紬。湊斗の“別れよう、好きな人がいるから”の好きな人は“紬と想”。想と湊斗に同じこと言わせてるよこの脚本、ヤバすぎだろ……号泣」などと、セリフの伏線回収に感動していた。

 さらに、湊が紬の弟・光(板垣李光人/20)に、手話を覚えるよう勧めるエピソードがあったため、「湊斗、光くんに手話覚えなよって言って、なんでそんなこと言うのって言われたの、きっと俺たち別れて想くんと付き合うからってことを暗示してたのか…つらすぎる伏線」などと、別れの言葉への考察も多かった。

 親友・恋人たちの過去と現在を切なく紡いでいく、周到な構成の脚本への反響が大きい回だった。また、ラブストーリーにおける“当て馬”の立ち位置を超越したような、優しすぎる湊斗に感情移入した視聴者から、鈴鹿の繊細で自然な演技に泣かされたという、称賛の声も相次いでいる。

 目黒の演技も、「若い才能が結集して丁寧に繊細に作られた、歴史に残る名作になりそう。中でもやっぱり目黒蓮の表情と抑えた声の演技に持ってかれる。迷い、ためらいながら、いまだ好きな気持ちに揺れる、優しい寂しげな笑顔と涙が絶品」などと、複雑な感情表現が好評だ。

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