■「22歳定年」の壁と「ジャニーイズム」が薄れてゆく懸念

 前出の芸能プロ関係者は言う。

「しかし、現実問題として、いつまでも売れないJr.を抱えていられないのも会社としては事実。仕事がなくてくすぶっていたら、スキャンダルや不祥事のリスクも出てきますしね。

 それを解決するための分かりやすい施策に、2021年1月に発表された“22歳定年制度”がありますよね。満22歳になって最初の3月31日までに、Jr.当人と事務所が話し合って、活動の継続について合意に至らない場合は活動を終了することになるというものです。そして、その定年制度の適用は2023年3月31日から。つまり約5か月後に迫っているわけです。

 先にデビューしたTravis Japanは、最年長が27歳、最年少でも23歳というグループ。定年制度で考えると“話し合い案件”だったわけですが、彼らをデビューさせたことで、滝沢氏としては役目を終えた感があるのではないでしょうか。

 いつデビューしてもおかしくない美 少年やHiHi Jetsはいいとして、それ以外の、年齢を重ねているJr.には今後、間違いなく試練が訪れるでしょうね。ジャニーズアイランド新社長の井ノ原さんのコメントからも、それが読み取れます」

■滝沢氏は「定年制」に反対していた?

 11月1日の『スポニチアネックス』では、井ノ原は「彼(滝沢)も潔い男なので、自分が考えていたことでなくて新しいスタイルを築き上げてくださいという気持ちはなんとなく受け取りました」とコメントしている。

「自分が考えていたことでなくて新しいスタイルを」――。つまり、これまでの滝沢氏の方針から大幅な変更が訪れるかも、ということだ。

「滝沢さんは、ジャニーズ事務所創始者のジャニー喜多川氏の“ジャニーイズム”をもっとも色濃く受け継いだ人物。むしろ、ジャニー氏に頼まれたから、タレントを引退してからここまで、ジャニーズアイランドの社長、そしてジャニーズ事務所の副社長として、Jr.たちを売るべく奮闘してきたわけですよね。

 井ノ原さんはNHK『あさイチ』の司会を長く務めるなど、タレントとしての信用度は抜群。後輩思いで、意外にも厳しい面もあるといい、上に立つ“先輩”としては最高の方でしょう。しかし、滝沢さんのように、ジャニー氏の意をそのまま継ぐということではないでしょう。

 後任のオファーをかけたのも、滝沢さんではなく藤島ジュリー景子社長(56)ですからね。井ノ原さん自身も、V6になるまで長い下積みを送った経験があったり、就任決定後に約30人のJr.たちと面談をし、ワークショップにも参加した旨を11月1日の『デイリースポーツ』が報じたりと期待したくなる部分もありますが……。

 滝沢氏は実は、定年制度に反対していたという話も聞こえてきていました。しかし、会社の決定には逆らえない。だからこそ、Travis Japanだけはデビューさせたかったのではないでしょうか。

 来年、2023年の3月末には契約更新とならないJr.が出てくるでしょう。そして今、その前にジャニーズ事務所を自主的に離れるJr.も出てくるのでは、とささやかれていますね……」(前出の芸能プロ関係者)

 大きな時代のうねりを見せるジャニーズ事務所。“イノッチイズム”は、Jr.たちを救えるのか――。

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