■デビュー10周年の節目を迎えた「電大」

 その後、ステイホーム中に制作された最新アルバム『HOME6』より「Life Like Lights」が初披露されると、呉のユニコーンライブの話題に続いて、呉でも大盛り上がりしたユニコーンの「PTA」のフレーズが演奏され、会場は大いに沸いた。川西による「(川西生誕祭&デビュー35周年の)呉ライブはぜひ映像化して発売してほしいよね」とのコメントには、詰めかけたファンから盛大な拍手が送られた。

 「呉でのライブと言えば……」と語り始めたテッシーが「実はコンタクトを着けるのを忘れていてあまり見えていなかった」と告白すると、EBIが呉ライブのあとに広島市内の実家に滞在した際、庭に生い茂った木々の伐採中に枝が目を直撃した話を披露。幸いにも処方された薬で事なきを得たとのことだが、今回のライブ前日に発生したというEBIの痛いエピソードには思わず肝が冷えた。

 そんな危機一髪だったEBIのベースがうなる「ジョーカーになろう」、続く「A GOOD DAY」は、もちろんおしゃべりだけではない、ベテランミュージシャンの確かな演奏が「電大」の魅力なのだと感じさせられる。

 2012年結成の「電大」、実は今年でデビュー10周年の節目を迎えた。しかし、コロナ禍でライブ開催は難しく、この日、久しぶりのステージとなった訳だが、ファンも「次のライブは一体いつ!?」とヤキモキしているハズ。そんな声に応えるかのように川西が「ライブ、やろうよ、来月にでも!」とコールするとEBIが「この会場で、1か月連続でやろう」と謎のアピール。
 コロナ禍にキャンプにハマったというEBIが「僕がステージの上でテントを張って泊まるから、テッシーはカレーを作って。この会場は火の使用OK?」と会場担当者に尋ねるが、当然「×」のジェスチャーが返された。

 最後に会場に向けて「またみんなに会えてよかった!」と川西が叫んで、人気曲「よかった」が演奏され、本編は幕を閉じた。

 アンコールの拍手に応えて間をおかず登場した3人は「また奈良でやりたいね」と笑顔全開。そしてテッシーがスタッフをステージに呼び込み、一人ずつ名前を紹介する。ローディーを始め、マネージャーなどの裏方を全員呼び込み、最後は「なら100年会館」の担当者まで紹介するという大サービス。ファミリー感あふれるほのぼのとしたエンディングに会場からは温かい拍手が送られた。アンコールでは最新アルバムから「Phantom Alive」が披露され、次のライブへの期待を込めた観客の拍手が鳴り止まないなか、およそ2時間のライブがお開きとなった。

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