■ハンバーグに始まりハンバーグで終わった「湊斗との恋」

 ハンバーグもまた、紬の好物として幾度となく登場してきた。外食をするときは、ほぼ確実にそれを頼んでいたのが、これも湊斗と紬の「始まりと終わり」を象徴する料理となった。

 紬は大学を卒業後に、セクハラや仕事の押しつけが当然のブラック企業でろくに食事もとらず働いていたが、ファミレスで偶然湊斗と再会。そこでそんなひどい会社は辞めた方がいいと思う、と湊斗に諭された紬が注文したのがハンバーグだった。

「2人はその後、交際に発展していくわけですが、第5話で正式にお互い合意の上でお別れをした際に紬が自宅で作っていたのが、手ごねのハンバーグでした。

 しかも、翌日に想と外食することになった紬は“ガッツリ食べたい”と言いつつも、“ハンバーグ以外にして”とリクエスト。湊斗との思い出としてとっておきたかったのか、それとも区切りをつけるためだったのか……とにもかくにも、この“ハンバーグ以外”はツイッタートレンド入りを果たすほどの反響が視聴者にありましたね」

 しかし、この「ハンバーグ」が後々の伏線になっていく可能性もあるという。

「ハンバーグにしろコンポタにしろ、それを頼めない間はまだ湊斗の思い出が残っていて未練があるということではと。今後、湊斗と復縁する未来があるかもしれないし、そうでなくとも想と湊斗も友人としてお互いを非常に大切に思っている。

 くわえて本作は、食事シーンが基本的に1対1であることがほとんどなんですが、これも意味深。最終的には3人が一堂に会して、“すべてにケリをつけた”という意味を込めて一緒にハンバーグを食べる……というシーンのための前フリかもしれません」

 さらに第5話では、今後の伏線と思えるアイテムが登場したという。

「100均で買った、白いふわふわの付いたヘアピンですが、これが実に重要なアイテムとして描写されていました。これは紬が湊斗と破局したことで部屋から荷物を引き上げた後に残っていたもので、“これの処分をどうするか”を口実に、湊斗が紬に電話をかけるシーンに登場したものです」

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