■「車に気をつけて」あまりにも不吉なフラグ!

 紬は「ああ、あれか。大丈夫、大丈夫捨てちゃって」とは言ったものの、実は中学時代、湊斗に「かわいい」と言われた思い出の品で、紬はずっと大切に使ってきた。恋人になってから迎えた朝、ベッドで「カワイイね。それ」と湊斗に言われる回想シーンもあった。

「最終的に、ヘアピンはゴミ箱行きになりましたが、これについて“自分じゃ捨てられないから湊斗の家にわざと置いたんじゃないか”とも考えられる。実は『silent』をイチから見返すと、結果的に湊斗の意を汲んで想と仲良くしているものの、紬は想との恋は過去のものと割り切っているんですよね。まだ、湊斗と復縁する未来がほんのわずか残っている、ということでしょう」

 その一方で、今後の展開についてはあまりにも不吉な予兆も――。

「『TVer』配信の前日談“エピソード0”で、紬の弟・光(板垣李光人)が小学生時代、夜にトラックに轢かれそうになったところを、間一髪で湊斗に助けられる描写があったんです。

『silent』は似たシーンの繰り返しや対比を意識した演出が多用されていますが、光は想についていい感情を抱いていないこと、現在の想は聴覚を失っていることから、第4話では実に意味深な“事件フラグ”が話題になっていたんです」

 第4話では、光が想に「じゃ、車に気をつけて」と声をかけるシーンがあった。

「これが、前日談と相まって、“想がトラックに轢かれる”、“想をかばおうとして光や湊斗が轢かれる”という “対比”の演出が起こる可能性が指摘されているんです。

 ここまで意味深に『エピソード0』や第4話での車や光との関係性を描写しているのを見ると、やはり最悪の展開を想像してしまいますよね。視聴者の想像を超える展開を見せてくれる『silent』ですが、ここばかりは視聴者が予想する通りの展開だとしても、これまで積み重ねてきた伏線の鮮やかさと、板垣さんも含めて、川口さん、目黒さん、鈴鹿さんら出演俳優の演技力の高さで、鳥肌モノのシーンになるんじゃないかと思われますね……」

 物語も後半に差し掛かった『silent』。3人の運命の行方は、果たして――。

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