■コンプラ厳守のご時世に視聴者喝采の「配慮の構成」

 放送を見ていた視聴者からは、

《イッテQの制作、20時台にフン流すならモザイクくらいかけろや》《ご飯食べ中の時もあるからうんこだすところはカットかモザイクをかけて欲しかったおかげでご飯が美味しくなくなった》《これはスタッフが悪い》

 と苦情の声がSNSに寄せられていた。

「とはいえ、それ以外はどちらも見どころも取れ高も素晴らしく、高視聴率も納得でした。中岡さんの場合は、番組の構成そのものが上手く時代の変遷を取り入れていて、感心した人も多いでしょうね」

『イッテQ』は、現在のテレビではもっともタレントが身体を張っている番組と言っても過言ではない。毎週のように容赦ないロケにタレントが挑むのだが、近年では、こういうハラスメントとして受け取られかねない演出は避けられることも多い。

 ところが、今回の場合「闘牛ロケ」では「コンプライアンスさ。大変なんだろう?」とあえて子牛を用意。「難しいところだよ」と中岡が返す場面があった。おまけに、牛は小さいが突進時の速度は恐ろしく、映像的な迫力は十分。

「特に視聴者の胸を打ったのが、サクラダ・ファミリアを背景に写真が取れる飛び込み台での撮影でした。中岡さんは高所恐怖症でどうしても飛び込むことができなかったため、“頼んでいるということで。残酷な映像になるかもしれへんけど”としっかり前置きをしたうえで、飛び込み台のうえでスタッフに背中を軽く突いてもらうようにお願いしたんです」

 スタッフも中岡も「信頼関係」と強調したうえで、「GOで押すだけになって、こんなん(危険な姿勢)で落ちたら、一番危ないな」「そうならしたくないもんな。(スタッフを)悪者にさしたらアカン」と、中岡がスタッフを信じる様子は視聴者に好評を博した。

《中岡さんの勇気とディレクターさんとの信頼関係にウルッとしそうになったよ》《信頼関係やな、にしてもDを悪者にさせたらあかんって中岡さん心優しき男よ》《中岡とディレクターさんの飛び込みのスロー動画見てたらなんか泣けてきた》

 などと、大いに反響がSNSに寄せられていた。

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