■悪くはない『祈りのカルテ』

 視聴者のツイッター上の反響は、「玉森くんは小さな心の機敏を丁寧に演じるのが上手。このドラマは大事件やドラマチックな展開はないけど、そこにある小さな温かさや悲しみを伝えられる演技ができるって、玉森くんらしさだと思う」などと、玉森の演技が高評価だ。

 玉森だけでなく、研修医の仲間や週替りで研修を受ける医師など、俳優陣の評判も良く、視聴率だけでなく「TVer」のランキングの成績も手堅い。土曜ドラマ枠としては成功作といえるが、今期のほかのドラマに比べると、あまり話題に上がっていないようだ。

「今期は話題作が多いため、残念ながら埋没してしまいました。『silent』(フジテレビ系)は化け物レベルのヒット、『クロサギ』(TBS系)もキンプリ騒動の影響で注目されていて、同じ医療ドラマの『PICU』(TBS系)は視聴者がひくほどのリアル路線が良くも悪くも話題になっています。これに比べると、『祈りのカルテ』は、どうしても見劣りしちゃうんですよね」(テレビ関係者)

 今期のドラマは見ごたえのある作品が多く、その中に埋もれてしまったとなれば、タイミングが悪かったとしか言いようがない。こればかりは、制作側も誤算だっただろう。終盤に来て、諏訪野と患者・広瀬(原田泰造/52)の関係など、大きな波乱が起きるようだ。地味ながらもキラリと光る本作に注目したい。

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