■「無言で画面に映るだけで映像が成立する」圧倒的ビジュアルは健在

(※以下、『の方へ、流れる』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください)

「唐田さんについては今後もアレコレと言われるとは思います。

 ただ、実際に『の方へ、流れる』のスクリーンの姿と、その後の舞台挨拶で見せた生の姿を見ると、やはり圧倒的な存在感があります。

 舞台挨拶では特にそれが顕著で、小顔と背の高さ、発しているオーラなどが明らかに他のキャスト陣たちと比べても一線を画していました。来年配信予定のNetflixの作品『極悪女王』の役作りでしょう、顔が多少ふくよかになってはいましたが、それでも美貌は全く崩れていないのもさすがです。体のラインは、長袖のドレスで隠していましたが……」

 そう語るのは、初日舞台挨拶と映画を鑑賞した映画ライターだ。

「本作は基本的に唐田さん演じる里美と、遠藤さん演じる智徳の会話劇が中心で、2人以外の登場人物はほとんど出てこないし、カメラ的にダイナミックな動きも少ない。BGMもなく、実に淡々とした映像が続きます。

 ただ、会話劇が始まる前、冒頭からそこそこ長い間、無言で里美が長々とスクリーンに映っているんですが、それだけで実に“画”になるんです。唐田さんの圧倒的な存在感、美しさは健在でしたね。竹馬靖具監督は“美の骨頂”と舞台挨拶で評していましたが、まさにその通りだと思います」(前出の映画ライター=以下同)

『の方へ、流れる』公式インスタグラム(@nohoue_nagareru)より。このバスから映画は始まる

 ちなみに舞台挨拶で竹馬監督は唐田を起用した理由を、

「(オーディションで)ダントツで里美のイメージを広げてくれる俳優さんだと思った」「役に深みだったり、いろいろな迫力を持たせてくれる俳優さんかなと思って決めた」

 と語っている。

 また、劇中の唐田と遠藤の演技は会話の端々にトゲを含みつつもかなり淡々としていて「棒読み」の指摘もあるが、これは意図したもの。

《「感情を優先させないように」という演出を受けていたので、言葉の一つひとつを一貫して大切に意識しました》

 と、唐田は11月26日に『telling,』で明かしている。

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