■禁断の2つの「不倫連想シーン」

「棒読みでいながら、映画として鑑賞に耐えうるクオリティに仕上げる。これは本当に難しいことなので、それを成し遂げた唐田さんの実力があらためて伝わりました。

 ただ、いささかヒヤリとする場面もありました。

 それというのも、唐田さん演じる里美の会話や設定の端々に、どこか現実の唐田さん、東出・杏元夫妻などを連想させる要素もあるんです。

 ダイレクトな部分だと里美と智徳が男女についての話をしている際、智徳に“不倫とか?”と聞いてきて、“だったら?”と返す場面がありました。ウソ泣きを褒められて“女優になろうかな?”と笑う姿も、どこか現実味を感じさせましたね。

 また、これは完全なアクシデントですが『の方へ、流れる』の上映前に、東出さんが主演する『天上の花』の予告編が流れたため、一瞬劇場の空気が“あっ……”となってました(笑)」

 そのほか、杏は騒動を経て今年9月にかねてから「青春の場所」「移住したい」と公言していたフランスへと移住したが、里美は「大学でフランス文学を学んでいた」「フランスや文学に関わることがしたい」という設定のキャラクターのため、思わぬシンクロの場面もあった。

「映画本編以外の部分で印象深かった出来事としては、舞台挨拶で唐田さんが涙ながらにこれまでの感謝と謝罪の言葉を話す場面で、“復活、おめでとー!!”“唐田えりかサイコー!!”と大声で応援の言葉を贈っていた中年男性らしき声があったほか、女性のお客さんも舞台挨拶で話す唐田さんにもらい泣きしていたり、スタッフにファンレターを渡すようにお願いする人もいました。

 唐田さんも待ってくれていたファンが存在することをあらためて実感できただろうし、もう道は踏み外さない、と強く感じたはず。過去のヤラカシは消えませんが、乗り越えてほしいものです」

『maidigitv』公式YouTubeチャンネルより 

 初日舞台挨拶で涙をこらえつつ「この期間、自分という者に向き合っていました。ダメなところや弱いところ、それに対して向き合ってくださる方がいて、こうして今ここに立てていると思います」と話していた唐田。あらためて、これからの活躍に期待したい。

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