12月1日、NHKの前田晃伸会長は定例会見で『第73回NHK紅白歌合戦』(以下『紅白』)への批判について言及した。前田会長は「どうしても長く続く番組はマンネリ化してしまう。年代も広い層が見ていますが、“広い世代に幅広く満足してもらえるにはどうすればいいのか”というのをお願いして、テーマにふさわしい番組になれば」と発言していた。
今年の『紅白』では氷川きよし(45)や石川さゆり(64)といった演歌勢は少なくなり、人気K-POPグループのIVE、LE SSERAFIM、TWICEの出場が決定。若手ボーイズグループのJO1、BE:FIRST、Ado(20)が歌唱を務める映画『ONE PIECE FILM RED』のキャラクター・ウタといった若者に人気のアーティストが多く出場している。そのため、「年配の視聴者が置いてけぼりになるのではないか」といった視聴者の声も多く上がっている。
定例会見以外にも、NHKが視聴者から寄せられた意見について言及している場がある。それは、『月刊みなさまの声』という、NHKのサイト上で毎月発表されているレポート。2021年度は一年間で310万4758件の意見が寄せられていたことがNHKの公式ホームページで明かされている。
昨年度の『紅白』については、視聴者から「少し選曲が若者向けすぎるかなと思う」「歌合戦と銘打っているのにSDGsに関するコーナーは必要なのか」といった意見が寄せられていた。また、吉沢亮(28)主演のNHK大河ドラマ『青天を衝け』については、合計12,553件の意見が寄せられ、うち15%が好評意見、13%が厳しい意見だった。
2022年10月分の『月刊みなさまの声』では、黒島結菜(25)主演のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』への反響が10,303件来たこと、うち好評意見は7.8%、厳しい意見は41.7%だったことも発表されている。
NHKが「嫌われすぎ」な実態が見える『月刊みなさまの声』はなぜ実施されているのか――。本サイトは、著書に『NHKはなぜ金持ちなのか?』(双葉社)、『NHK独り勝ちの功罪』(ベストセラーズ)などがある、放送評論家の小田桐誠氏に話を伺った。