■130万円のエルメスのバッグを買う目的は?

――以前、130万円のエルメスのケリーバッグをお母様にプレゼントされていましたが、エルメスのどういうところが好きですか。

 母親が欲してたから好きです。別に僕はエルメスの歴史を知ってるわけではないのですが、自分の母親もエルメスの歴史を知ってるかはわからないけど、“エルメスが好き”って言ってるんであれば、それはやっぱりいいものなんですよ。

 僕のエルメスを買う目的っていうのは、プレゼントした人に喜んでもらうこと。なので、エルメスを買うことが僕の人生の目的ではない。僕のお母さんを喜ばせてくれる、すごく素晴らしいブランドだなってイメージです。

黄皓さん

――ご両親をすごく尊敬されていますが、最近も見習わなきゃなと思ったことってありますか?

 ずっとですけど、やっぱり心強いなと思う瞬間はありますよね。経営している会社、ミラーフィットは僕らが創業してまだ2年ぐらいですけど、もう数億円以上お金を集めて投資をしてきてるんです。で、回収はまだまだ全然先。ずっと赤字を出しながら成長するんですけど、やっぱりその過程で怖くなる瞬間ってあるんですよ。“あ、お金足りなくなったらどうしよう”とか、“この投資って、いつか絶対回収できるんだっけ”って。

 でも、そういう恐怖に対して両親が“行けるとこまで行けよ”とか、“もともとうちは何もないところから来たんだから、失うものなんてない”と言ってくれて。自分が親になった時に子供のチャレンジをドーンと構えていられる状態を作れたら、子供も堂々とチャレンジできるし。

 これに対して賛否両論はあると思っていて、それって“覚悟が足りない子供が生まれちゃう”とか、“親の庇護下にいる子供が生まれちゃうんじゃないの”とかって言われるんですけど、背水の陣なんて原則敷かなくていいんですよ。そもそも、追い込まれない方が強い選択ができるし、人間はメンタルで相当パフォーマンスが変わってくるので。

黄皓(こう・こう)
早稲田大学卒業後、三菱商事に入社。29歳で退職後、パーソナルトレーニングジムの「BESTA」(ビスタ)を経営するRILISIST株式会社を立ち上げる。2020年7月にはオンラインフィットネスサービスをメインとするミラーフィット株式会社を設立。2019年に恋愛リアリティ番組の『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1に参加、2021年に『バチェラー・ジャパン』シーズン4に参加し、多岐にわたる活躍をしている。

■『異なる勇気』著/黄皓
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