■『silent』放送前から張られていた伏線

 この「ずっと」の手話は、公式サイトでドラマの概要を紹介する、「イントロダクション」で公開されたキービジュアルとのつながりだっため、ツイッター上で「放送前から“ずっと”の伏線が張られていたってこと!? スゴすぎるよこのドラマ」などと、視聴者から驚きの声が相次いでいた。

 本作はこれまでも、伏線回収が何度も話題になっていて、その中で反響が大きかったのが、第1話の「うるさい」というセリフの反復だった。冒頭の高校時代の空を見上げる回想シーンで、紬が「雪が降ると静かだよね」と大きな声で語りかけると、想が「青羽の声、うるさい」と、おだやかな笑顔で応じていた。

 続いて8年後、駅前での偶然の再会シーンで、紬に声をかけられた想は、病気で耳が聞こえなくなったと手話で必死に語り掛けるが、紬には何も伝わらないため、「おまえ、うるさいんだよ」と、手話で言い放って去っていく。同じ言葉なのに違う意味を持っていることが、初回から多くの涙を誘った。

 また、第4話の湊斗(鈴鹿央士/22)と想の、「好きな人がいるから」というセリフのリンクも話題になった。ラスト前8分、紬が3年前から耳がほとんど聞こえなくなった想の葛藤に思いを馳せ、感傷的に語ると、湊斗が「紬、お願いがあって」と切り出し、「別れよう、好きな人がいるから」と告げた。

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