■2022年の総括と2023年の楽しみ

――昨年、2022年は特撮作品が充実した1年と言われましたが、感想をお聞かせください。

「テレビ朝日で毎週放送しているのを軸に、映画があって、アマプラで『仮面ライダーBLACK SUN』(※)があって、TTFC(※東映特撮ファンクラブ)オリジナル作品もあって……サブスクサービスが充実した1年でしたね。でも、やっぱり『BLACK SUN』がかなり大きかったと思います」

(※『仮面ライダーBLACK SUN』:1988年に放送していた『仮面ライダーBLACK』をリブート。完全に大人向けの作品となっており、非常に重厚な社会はドラマとしても見ごたえがある作品)

――どうしてでしょう?

「『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』も『仮面ライダーギーツ』も当然面白いし、特撮好きじゃない層にもだいぶアプローチできてたとは思いますが、『BLACK SUN』で“西島秀俊さんや中村倫也さんが主演をやる”って発表されたときの瞬間最大風速は相当スゴかったな、と思ったのがひとつ。

 あと、『BLACK SUN』は全10話を毎週ではなく一挙配信しましたが、“10話を見た”というより“約440分の映画を観た”みたいな感覚だったんです。こんな長い映画を『仮面ライダー』で作れるんだという感動もあったので、これできるならほかのあの作品もできるなー、とか。白石和彌監督という普段特撮を撮ってない監督が作ったのもかなり大きかったと思います。

 特撮の人が外に出ることもあれば、外の人が特撮を作ることもある。こうした循環みたいなのが今年もっと進んで行けば、テレビ放送のシリーズも面白くなるし、さらにいろいろ面白いことが起きるんじゃないかと思います」

「特撮愛」を全開にする篠宮さん

――2023年に期待していることは?

「2023年でいうと、やっぱり3月公開予定の映画『シン・仮面ライダー』がどうしても楽しみにではありますね。

 というのも作品の色が『仮面ライダーBLACK SUN』と同じ方向に行くのか、はたまた違う方向に行くのか……『BLACK  SUN』はかなり大人向けでヘビーな作品だったので。

 もともと『BLACK  SUN』のオリジナルである『仮面ライダーBLACK』(1987年放送)は、初代『仮面ライダー』を強く意識した原点回帰の作品でもあります。

『シン・仮面ライダー』もそういう意味で似通わないかな、と素人が心配もしつつ、まあそんなことにはならないだろう、と。とにかく、どういう作品になるのかすごく楽しみですね」

 会話の端々から「特撮」への高いリスペクト心が伝わってくる篠宮さん。彼の熱意で日本中に特撮ブームが訪れる日もそう遠くない!?

篠宮暁(しのみや・あきら)

1983年2月8日生まれ。京都府出身。松竹芸能所属。屈指の“特撮大好き芸人”として『仮面ライダー』など特撮作品にかける情熱は凄まじく、毎週リアルタイムで感想をツイートしているほか、特撮コラムの執筆なども精力的に行なっている。また、日本漢字能力検定(漢検)準1級に合格しており、子供向け漢字ドリルも出版、多方面で活躍している。

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