■「麻雀プロって泣きすぎじゃないですか(笑)?」

――チームメイトに話を戻すと、瀬戸熊さんの『麻雀最強戦』の連覇はカッコよかったですね。

「瀬戸熊さんは、『Mリーグ』で成績が落ちてきていたところだったので……本当に良かった。カッコよかったですよね。

 2021年は、劇的な倍満ツモ大逆転でドラマは大きかったですけど、今年は“耐えて耐えて耐えてワンチャンスをモノにして勝った!”という感じでしたね。僕はちょうど地方からの帰りで、新幹線の中でずっと観ていたんですけど、黒沢(咲)も出ていたので……気持ち的にはどっちが勝ってもいいや、という感じでしたね(笑)」

――ヒリヒリするような戦いでしたね。

「一発勝負の決勝戦の醍醐味は、どうしても『最強戦』に詰まっていますよね。『Mリーグ』もそうですが、リーグ戦だと最後の1回って、最初から苦しいチーム出てくるじゃないですか。ポイントがトップのチームと300離れていたら無理だな、となりますけど。

 決勝戦1回戦というのは、たぶん『最強戦』くらいしかないんですよ。1回で終わりますよ。この1回を勝てばタイトルを取れますよ、というものなので、よけいに緊張感が高まりますよね。

 たとえば全3回戦だったら“ここでラスとっても、次で取り返せばいいじゃん”ってなりますが、最終戦になったときには優劣が決まっていて、本当にフラットな、よーいドンで“これに勝ったら優勝!”みたいな決勝戦は実はけっこうなくて。それが『麻雀最強戦』の盛り上がりですよね。緊張感が違うので、そこが醍醐味です」

――解説席にいた瀬戸熊さんの盟友・多井隆晴さん(渋谷ABEMAS)が号泣するというドラマもありましたね。

「麻雀プロって泣きすぎじゃないですか(笑)? いや泣くことは否定しませんが、勝ったら泣いて負けたら泣いて……みんな泣きすぎでしょ(笑)!

 だったら俺は、この前トップ取った日に泣いてもおかしくないですよね(笑)。僕はプロなんで泣きませんよ、なんてね(笑)」

【#3へ 「『雷電』がTWICEみたいな女子4人組で麻雀も強かったら盛り上がると思います(笑)」『Mリーグ』の発展を思うからこその「苦言と提案」】

はぎわら・まさと 1987年、俳優デビュー。テレビドラマ『はいすくーる落書2』(90)で注目を集め、映画『学校』、『月はどっちに出ている』(ともに93)などで日本アカデミー賞新人俳優賞、『マークスの山』(95)、『CURE』(97)で、2度の日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。その後も、数多くの映画、ドラマ、舞台でも活躍。近年は映画『島守の塔』、『今夜、世界からこの恋が消えても』、『餓鬼が笑う』(ともに22)など話題作に出演。18年から「TEAM RAIDEN/雷電」に所属しプロ雀士としても活動している。

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