■「“負けても面白かった”“やっぱりハギーの麻雀は面白いわ!”が一番うれしいです」

――素晴らしいです! 今、『Mリーグ』をリアルタイムで見ていると、萩原さんが出てくると「カッコいい!」ってコメントが並ぶんですよね。

「本当ですか(笑)。多分ですけど、“あいつ芸能人で麻雀好きで『Mリーグ』に入ってきた”って思われていたのが、4年間を経て僕の思っていることとか、やりたいことが徐々に伝わってきたのかなと思います。“あれ、コイツけっこう真面目にやってるじゃん”みたいな。“本当に麻雀広めたいんだ”というふうに少しずつ伝わってきたのかなって。僕を色眼鏡で見たり、拒絶反応を持っていた人たちが、“意外とちゃんとやってるっぽいぞ”みたいな感じで思ってきてくれている人が少しずついるのかなと。

 僕は何も変わってないので。特に髪型やメイクをカッコよく作っているわけではないので。愚直に5年やってきて、無様でもみじめでもいいから、まだまだやり切れてないと“負けません!”と思っていて。ラスを食おうが、どうなろうが、絶対に折れない部分が少しずつ分かってもらえてきたのかもしれないですね」

――入場時のワクワク感は『Mリーグ』トップクラスだと思います。見た目のカッコよさだけじゃない、オーラみたいなものを今季の萩原さんには感じます。これはプロ雀士の方には失礼かもしれませんが、勝っても負けても面白いものを見せてくれる「安心感」というか……。

「それは一番うれしいですね!“負けても面白かった”“やっぱりハギーの麻雀は面白いわ!”が一番うれしいです」

――それは多くの人が感じていると思います。でも当然、萩原さんの麻雀も進化していて。あまりに牌効率が悪いことはしないけど、微妙なところだったら「これが萩原だ!」っていうのを優先してくださっていますよね。やっぱり、牌効率だけで打ってる人の麻雀は面白くないですよね。

「麻雀の面白いところは、東二局でまだ点数フラットの状況と、南三局のここで勝負を決めに行かないと、という状況は当然ながら全く違うわけです。そこでメンピン上がって2000点でオーラスはどうなんだ、というところだから、やっぱり少し強引でも手役を作って8000点を目指しに行く……これが麻雀の面白いところですよね。

 そういう部分でも“お客さん”を育てていければなって思います。そういうことが分かっていれば、“ハギーはこの局面だからウーソーを残したんだ”と。“東発や東二局だったらウーソーを切るかもしれない。いつもそう打ってるわけじゃない”となると思うんです。

 でもやっぱり、本当に麻雀が好きな人じゃないと分からないんですよ。“自分だったらこう切るのに。だって、上がりたいじゃん!”みたいな感じで言われちゃいます」

――手牌だけで言われてしまうんですよね。

「そうなんです。僕だけじゃなくて、みんな本当に考えて打っていますが、“神の視点”(全選手の手が見える視聴者の視点)だと違うんですよね。

 Mリーガーたちは、局面とか相手の出方とかも全部踏まえて判断していますが、最終的には僕らが“選択できること”は手牌がすべてになってくるので。“何でこれを切ったの?”と疑問に感じるときには、もっと深く考えてもらえば、絶対にいろいろな理由が出てきます。でも、そこまで視聴者の方は考えない。見た目で“何であれ切ったんだよ”“危ないじゃないかよ”とか言われてしまいます。

 ただ、ファンを育てていくのも僕たちの役割です。やっぱりいいファンに恵まれたいですし、ファンを育てるという活動もやっていけたらなと思いますね」

――12月19日のトップを取った試合では、萩原さんの選択の動作に本当に迷いがなくて。一発ツモもついてきて、あれは本当に視聴者もみんなカッコいいと思っているようでした。

「“ハギーが自力で頑張った”と言ってくれますけど、“感謝の一発ツモ”ですよ。これは本当にそれしかない。

 だって、ファンの方の中には、“私が見てるとハギーが勝てないから見るのやめて結果だけ待ちます”なんて方もいるわけですよ。さすがにそれは関係ないと思いますが(笑)。トップを取れないのは俺の問題なので(笑)。負けたら全部自分のせいだから、見続けてほしいと思います。見てもらえないのが、僕は一番悲しいです」

『Mリーグ』の未来を見据える萩原さん
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