■何が今の日本経済を停滞させているのか?

 では、何が今の日本経済を停滞させているのか? それはやはり景気の低迷なんです。昭和の高度経済成長期は、民間企業が借金をして、どんどん投資を行いました。当時は国債の発行量も多くなかった。なぜなら、民間が自ら借金をして投資をして、経済を回していたからです。景気が良くなると、税収も増えます。なので、政府の予算も税収でまかなえるため、わざわざ国債を発行する必要がなかったんですね。

 ところが、バブル崩壊後、日本経済は一気に低迷します。そして、平成8〜9年頃に不良債権処理を行います。不良債権処理とは、民間負債を一気に減らすこと。当時、約200兆円の負債を減らしたんですが、それは、前述したように民間の貯金が200兆円減ることと同じなので、さらに不景気になってしまったんです。

 にもかかわらず、政府は景気対策の補正予算をわずか数十兆円しか出さなかった。これじゃ焼け石に水ですから、効果はなかった。さらに、補正予算をバラまいても効果はないという誤った認識も生まれたんです。仕組みをきちんと理解して、十分な景気対策を行っていれば、バブル以降の失われた数十年はなかったのに、不幸なことです。

 日本が復活するためには、かつてのように民間企業が積極的に投資を行い、経済を回すようになることが理想です。ただ、デフレという先行きが不安な状況下では、民間企業も内部留保ばかり増やして投資をしたがりません。だからこそ、政府主導で長期的な計画を打ち出して、投資を促すしかないわけです。

 私が考える日本復活の策は「新幹線を全国に張り巡らす」「高速道路のミッシングリンク(未整備区間)の解消、および4車線化」「子育てのための財政出動」等です。政府が、こうした巨大な事業をドカンと打ち出せれば、日本経済は必ず輝きを取り戻します。日本再生を実現するために、戦い続けますよ!

西田昌司(にしだ・しょうじ)
1958年生まれ。京都府出身。参議院議員(自由民主党所属)。滋賀大学経済学部卒。税理士、京都府議会議員を経て2007年に参議院に初当選。日本再生に向けた国会での言動が、SNSで話題に。

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