夏の冷たいビールは危険!?血栓予防は?中高年を襲う脳卒中、心筋梗塞!酷暑の突然死から身を守る心得5の画像
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 この冬まで続いたラニーニャ現象の影響で、例年より気温が高いと予測されている今夏。酷暑の夏中高年の生命が脅かされる危険な季節が、まもなくやってくる。

「オーストラリアの研究グループが、高温と心血管疾患との関連性を調べたのですが、そのデータによると、気温が1度上がると、脳卒中死が3.8%、心筋梗塞などの冠動脈疾患死が2.8%上昇するという衝撃の結果が出ているんです」(医療ジャーナリスト)

 その主な原因は「夏血栓」にある。気温が高くなると、大量に汗をかき、血中の水分量が不足して、血栓ができやすくなる。血栓で血流が止まれば、脳卒中(脳梗塞が代表的な症状)や心筋梗塞の要因になるのだ。

 こうした酷暑の突然死を防ぐには、どうすればよいのか。

■水分補給、酒の適量は

 まずはこまめに水分を補給して血栓を防ぐことだ。日中はもちろん、就寝前のコップ1杯の水は、習慣化してほしい。

 また、気をつけたいのが、帰宅後や酒席で、最初に、つい飲みたくなるキンキンに冷えたビールだ。

「体内の水分が不足している状態で冷えたビールを飲むと、アルコールの利尿作用で体が脱水症状になることも。暑い夏は500ミリリットル程度はすぐに汗で失ってしまうので、血液は1割ほど濃くなり、血栓もできやすくなるんです。統計データでは2〜3杯と飲み進めるほど、心筋梗塞の死亡リスクが上がります」(前同)

 この話を受け、新潟大学名誉教授で、健康問題に詳しい岡田正彦氏は、こう助言する。

「毎日、ビールをレギュラー缶で1本程度のアルコールを摂取している人は、心筋梗塞、脳卒中ともに、まったく飲まない人に比べて死亡率が低下するという統計データがあります。しかし、それ以上は要注意ですね」

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