今年も金の卵たちが球界入りする。意中の選手を獲得できた球団、そうならなかった球団の悲喜こもごも!!
4年ぶりの“有観客”開催も話題となった、今年のプロ野球ドラフト会議。
各球団の思惑が交錯する中、育成枠含め全122選手が、プロという大舞台への挑戦権を手に入れた。
「大学生投手が大豊作だった今回は、前評判の高かった“東都六人衆”がそろって1位指名。花巻東の佐々木麟太郎(18)の米国留学決断で、“目玉”不在となった会議自体も、おかげで大いに盛り上がった。
独走Vを決めたセ・パ王者が、ともに“一本釣り”を成功させたのも印象的でしたね」(スポーツ紙デスク)
■王者の“余裕”を感じさせたリーグ3連覇のオリックス
そんな王者の“余裕”を最も感じさせたのが、リーグ3連覇のオリックスだ。巷ちまたでは“坂本勇人2世”の呼び声も高い上田西の横山聖哉(18)を皮切りに、4位までは無限の可能性を秘める高校生がズラリ。
生え抜きスター育成への強い自信を覗かせた。
「エースの山本由伸(25)が大リーグ挑戦。山崎福也(31)にもFA流出の可能性がある中での指名ですから、いかにも強気。
大学生は一人も獲らず、社会人の即戦力は下位指名。契約金を極力抑える“カネ勘定”までしているあたりも、関西球団らしく強したたかです。王者の余裕を特に感じました」(前同)
■阪神タイガースは戦略勝ち
一方の阪神は、競合を回避しつつ“六人衆”の一角、青学大の下村海翔(21)を押さえる戦略勝ち。
無名に近い独立L・徳島の椎葉剛(20)を2位で獲る独自色も、目を引いた。阪神OBの藪恵壹氏が言う。
「1位の下村は、変化球が多彩で四隅を突ける村上頌樹(25)に似たタイプ。派手さはないが堅実、という部分でも岡田(彰布)監督好みです。椎葉は“ポスト岩﨑”候補。2位で行くぐらいですから“後ろで、すぐ使える”と、よほどの確信があったんでしょう」