新型コロナウイルスによる行動規制が大幅に緩和され、初めて臨む年末年始。待ちに待った忘年会シーズンの到来だが、一方で、「東京消防庁によると、管内の急性アルコール中毒による緊急搬送数は12月が最多」(全国紙記者)
と、楽しいはずの忘年会で、命を落としかねないという。そこで専門家に、死なないための極意を、一問一答形式で聞いた!
Q.酔わないために、飲む前に食べておいたほうがいいものは?
A.何事も準備が大事だ。新潟大学名誉教授の医師・岡田正彦氏によると、ゴマなど植物性の油を含んだ食材がベスト。特に居酒屋などで乾杯する前に、植物性油使用のドレッシングのかかったサラダを食べておくのがオススメだとか。
「アルコールは胃で7割、吸収されますが、油が胃の粘膜を保護し、その吸収速度を遅くしてくれます」(岡田氏/以下、同氏)
なお、アルコールを分解する能力(酵素の活性力)には個人差があり、あらかじめ、自分の能力を知っておくことも準備のうち。
ネットなどで販売される検査キット(約6000円)は、唾液などから遺伝子を採取し、酒の強さや弱さのみならず、アルコール依存症になりやすいなどのタイプまで分かるんだとか。
Q.健康を害するアルコール量は?
A.厚生労働省がまとめた「飲酒ガイドライン」では、純アルコール量換算で1日40グラム(ビール500ミリリットル缶で2缶相当)以上飲むと、生活習慣病のリスクが上がるとしているが、「欧米のデータでは、より厳しくなっている」という。
たとえば、純アルコール量換算12 グラム(専用グラスに1杯程度=ビールなら350ミリリットル缶1缶弱)の飲み物を2~3杯で、「心筋梗塞や肝硬変、がんの死亡率が上がる」とされている。
Q.どのくらい飲んだら急性アルコール中毒になる?
A. 個人差はあるものの、「アメリカのデータでは、男性の場合、急性アルコール中毒にならないためには、2時間以内に5杯(ビールの350ミリリットル缶5缶)以上飲まないこと、というデータがあります。
半年以上、酒を飲んでいない人が急に飲む場合、また、まだ飲み慣れていない若い人が飲むケースは、より注意が必要です」
Q.急性アルコール中毒の兆候は?
A.自分は大丈夫でも、連れが倒れることもあるだろう。(1)体を叩いても反応しない、(2)体が冷たくなっている、(3)呼吸が正常ではない飲んでいる相手が、こうなったら、すぐ救急車を呼ぶべし。